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ランニングは年齢が上がってもアップデートできる

「仕事柄、日中は仕込みやお店が忙しいので、走るのはもっぱら夜の仕事上がりになります。自宅を起点に、代々木上原の周辺をまわる1周8kmのコースを設定して、催事などへの出店がない通常営業の日は、ほぼ毎晩走ってますね。
この辺は坂道が多いのがトレーニングに良くて、8kmのコースの中に登りが11カ所あるんですよ。『月間これくらい走りたい』というのを自分の中の決めごとにしているのですが、それもできなきゃ100マイルなんてダメだよねというか、達成感が日々走ることのモチベーションになっています」。
より本気でランニングに打ち込むため、藤川さんと一緒にランニングチームを作ったのは以前お伝えした通り。自分が本気になると本気な人が集まって、気の合う仲間が増えていく。そして、お店の認知にも繋がる。
「もともと追い込むのは好きなタイプだったんです。しかも長めの距離を走りたい。瞬発力があるタイプではなくって、我慢することが好きなのかもしれません。だから走ることは向いているのかなと」。
中尾真也
「反面、ケガなどで走れないとストレスを発散する機会がないというか、仕事にも悪影響がありました。そのことに気がついてからはケアに関しても気を遣うようになりました。ランニングで必要なのは止まらないこと。進み続ける、やり続ける力が大事で、それってある程度年を重ねてもできることじゃないですか。
フィジカルだけでなくメンタルもアップデートし続けられるのが自分の性に合っています。いずれはアルゼンチンで開催されているレースにも出てみたいですね。今お店で出している牛肉はアルゼンチンの肉ではないのですが、アルゼンチンにもいい肉牛が肥育されているので、仕事も絡めて行きたい」。
走ることは趣味。でも、その趣味に本気になってみることで、年齢を重ねてからでもいろいろなアップデートのチャンスが得られる。そういう機会はありそうでないものだ。ある意味ではランナーの特権なのかもしれない。
中尾真也
アタカマ・クロッシングをともに走り抜けたシューズ。コースのアドベンチャー度合いを物語る。
後編では中尾さんがこだわるランニングギアを紹介する。
「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る
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RUNNER’S FILE 10
氏名:中尾真也
年齢:38歳(1981年生まれ)
仕事:チョリパン専門店「ミ・チョリパン」オーナー
走る頻度:ほぼ毎晩、1~1.5時間ほど
記録:砂漠マラソン完走
 
礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真


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