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2020.04.23

S660とコペン GR。軽自動車の2シーターで味わう、日本独自の走る醍醐味

「2シーターという贅沢」とは?
日本が世界に誇る独自の規格、軽自動車。個性豊かな車が勢揃いのこのジャンルでも、面白い2シーターが存在する。ホンダの「S660」とダイハツ の「コペン」だ。
小さな体を活かして颯爽と風を切って走る、貴重な2台のスポーツ2シーターを見ていこう。

 

ミッドシップの本格軽スポーツ
ホンダ・S660

まず1台目は2015年に登場、2シーターオープンスポーツカーの「ホンダ S660」だ。
今年1月にマイナーチェンジが行われたホンダ S660。車両価格は203万1700円〜。
高い旋回性能にこだわるため、駆動方式にはスーパーカーと同じミッドシップエンジン・リアドライブを採用する本格派だ。

手軽にオープンエアドラインビングを楽しめると同時に、ボディの高剛性化を兼ね備えた着脱式のルーフをもつタルガトップが大きな特徴で、低く抑えたボンネットやリアへ向かって上がっていくボディデザイン。前後異径サイズのタイヤを採用するなど、そのスタイリング手法はスーパーカーそのもの。

軽自動車という制約の中で、開発者の気概と遊び心が車の節々から伝わってくるS660。それもそのはず、企画提案と開発を主導したのは20代半ばの技術者というから、なるほどそれら各部の強いこだわりも腑に落ちる。
専用のボディはいちから開発。高剛性化や低重心化などを追求し、車重は850kgに抑えられている。これらすべては痛快なハンドリングを目指してのことだ。
車体中央には、軽量かつレスポンスに優れた660ccの直3ターボエンジンを搭載。6速MTまたはCVTが組み合わされる。国内のメーカーが設ける軽自動車のパワーへの自主規制により、最高出力は64psとなっているが、最大トルクは104Nmを発生。燃費は20.6km/L(WLTC)と財布にも優しい。
写真はよりスポーティな内外装を纏った「モデューロX」。タルガトップの開閉は停止状態で手作業にて行う。
乗り心地はヤンチャな見た目からは想像できないほど快適そのもの。“体幹”がとてもしっかりしているから積極的にコーナーを攻めたくなる身のこなし。
安全装備には横滑り防止装置やサイドエアバッグを全車に搭載するほか、オプションで低速域衝突軽減ブレーキなども用意するなど、スポーツカーでありながら手厚い装備も魅力。
徹底したディテールへのこだわりを持つS660だが、音へのこだわりも凄い! 頭の後ろから響いてくるエンジン音にも手を加え、アクセルオフ時の「バシュッ」というブローオフバルブ音もドライビングの高揚感をいっそう高めてくれる。
これだけ走りに攻めたスポーツカーだけに、荷物を伴う移動での実用性はほぼ皆無。しかし2人で純粋なドライブを楽しむ際には、最高のパフォーマンスをしてくれるはずだ。


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