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航空機の機械エンジニア×航空計器の科学者の出会いからスタート

モビバ
背負えるということは、こんな場所にだって設営可能ってこと。
モビバは、2005年にロシア・シベリアでアレクサンドロヴィッチ夫妻によって立ち上げられた家族経営の会社だ。
夫妻が出会い、結婚したのは、1980年代にまで遡る。製鉄所で働き、金属製錬所のワークショップを率いていた父を持つアレクセイは当時航空機の機械エンジニアとして、ロケットの電子部品の設計を手掛ける科学者の両親を持つイリーナは航空計器の科学研究所で働き、それぞれ忙しい毎日を送っていた。
モビバ
極寒のシベリアでは、より精巧な造りが求められる。夫妻が手掛ける帽子は完成度が高く、あっという間に人気になった。
1980年代の後半になるとペレストロイカが始まり、ソビエト連邦は大きな転換期を迎える。軍用航空機の注文は日に日に少なくなり、若い夫妻は新しい職を探す必要に迫られた。
そこで2人は1991年に縫製企業を設立。服やバッグ、帽子などを手掛け始めた。中でも彼らが天然毛皮を用いて作る帽子は、品質の高さとデザインの精巧さが話題を呼び、寒冷地用のレディースハットとしてすぐに人気を博した。創業からわずか4年後、1995年には10人の従業員がいたことからも、その成功のほどがわかるだろう。


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