③『“スキルシェア”で企業をサポート』
──そのほか、異業種へ挑戦するケースはありますか?沖 これまでの経験を活かして、コンサルタントやアドバイザーとして何かの事業の課題解決に関わってみるのはいいかもしれません。身近な友人の会社を手伝ったり。経験がモノを言うことも多いので。
──どういうことですか?沖 “コンサルタント“と聞くとハードルが高く感じるかもしれないので、“スキルシェア”と呼びましょうか。例えば、大手コンサルティングファームと呼ばれる企業などでは、大手メーカーや金融機関、公務員など、各業界で経験を積んだ方を採用する事例もあります。
──なぜ?沖 これまでの実績や知見を評価し、アドバイザーとしての立場で採用する、ということです。新卒で活躍している人はたくさんいますが、案件によっては、中途で異業種の知見を持つ人のほうがバリューを発揮できるケースもあります。
──主にどういったことをするのでしょう?沖 企業やサービスの課題を見つけて「実際にどう改善していくか」を、自分の経験や今のマーケット、トレンドに基づいてアドバイスをしていくことですね。
──コンサルタントの専門的知識がマストではない、と?沖 専門知識が不必要だとは言い切れません。しかし、別領域の自分の経験や知識を使ってうまくアドバイスすることで、スムーズにことが運ぶケースは多々あります。相談にくる方のなかでも、新しいことをやりたい、自分の経験を活かしてほかのことをやりたい、という方は多いです。
──なるほど。転職するにも、考え方からアップデートしなきゃいけなさそうですね。沖 あくまで、自身のスキルや実績も重要ですので、今の仕事環境でしっかりと結果を残すことも大事です。逃げるように転職するだけでは、また同じ結果になりかねませんからね。
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転職がネガティブな意味をはらんでいた時代は終わった。自分の生き方、働き方に合った職場を探すのは、とてもポジティブな行動なのだ。
そして、転職の必須アイテムは経験値とスキル。転職する・しないに関わらず、日々真剣に職務に向き合い、スキルを磨いておけば、いろんな意味で役に立つはずだ。ってことで、今日も1日がんばりましょうか。
佐藤 裕=写真 菊地 亮=取材・文