OCEANS

SHARE

“海シャツ”の参考になる『太陽がいっぱい』

「海とシャツ」と聞けば、1970〜’90年代のサーファーが着ていたアメリカ製のネルシャツを想像する方が多いかもしれない。映画でいうと『あの夏、いちばん静かな海。』の真木蔵人とか、’70年代のオーストラリアのサーフシーンを描いた『ドリフト』のマイルズ・ポラードなど。あのワイルドで男らしいスタイルもいいけれど、このページで提案する“海シャツ”は、シルキータッチな肌触りで着心地が楽なやつ。
手本となるのは、ルネ・クレマン監督の不朽の名作『太陽がいっぱい』(’60年)のアラン・ドロン。彼が演じるアメリカの貧乏青年トムは、イタリアで放蕩を続けるアメリカの大富豪の息子(フィリップ)の使い走り的存在。
ルネ・クレマン監督の『太陽がいっぱい』(1960年)は、アラン・ドロンの出世作となった不朽の名作。
ルネ・クレマン監督の『太陽がいっぱい』(1960年)は、アラン・ドロンの出世作となった不朽の名作。1950〜’60年代のイタリアのリゾートスタイルの資料としても一級品。[左]© Visual Press Agency/AFLO [右]© Sunset Boulevard/Getty Images
フィリップに嫉妬心と憎しみを抱いているトムは、いつしかフィリップを殺して彼に成りすますことを思いつく……。洋上のヨットで実行に移したトムは、フィリップになりきり、フィリップのワードローブを完璧に着こなすのだ。
特に印象的なのがシャツ姿。イタリアンカラーの薄いブルーのシャツに、白のボタンがポイントの厚手のブラウンのシャツ、バティック柄の半袖シャツ……アメリカとイタリアの要素が融合したリゾートスタイルは、その緊迫したシチュエーションを差し引いたとしても、とても素敵だと思うのだ。
そんな彼のように、素肌かTシャツの上に肌触りのいいシャツを羽織れば、気分はもう名優……。とは言わないまでも、海辺で過ごす心地いい時間がより気持ちいいものに、そしてあなたを魅力的に見せてくれるのは間違いない。
 
西崎博哉(MOUSTACHE)、河津達成(S-14)、渡辺修身=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介、星 光彦、平野俊彦=スタイリング yoboon(coccina)、MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク 髙村将司、増山直樹、今野 壘、谷中龍太郎、菊地 亮、増田海治郎=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。