「筋トレをしすぎると背が伸びない」は間違いである
筋トレ、すなわち「筋力トレーニング」とは「骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大を目的とした運動の総称」のことです。
では、筋トレとウエイト・トレーニングではどう違うのでしょうか? ウエイト・トレーニングを辞書で調べてみると、「重量物(ダンベル、バーベルなど)または自重(自分の体重)などを用い、筋肉に負荷をかけて体を鍛えるトレーニングのこと。筋力増強・増量などを目的とするトレーニングの総称」となっています。
このように、バーベルやダンベル、専用のトレーニングマシンなどを使用して負荷をかけるトレーニングだけでなく、実は自重を利用した腹筋や背筋も、ウエイト・トレーニングと考えられているのです。ここではこうした認識の元にお話しします。
ジュニア期の子供たちに重量物を持たせて筋トレすることは、ひと昔前までは“厳禁”とされてきました。その理由として「背が伸びなくなる」「ケガをする」などといわれたもので、特に「ウエイト・トレーニングは子供が行うものではない」と位置づけられていました。
しかし、この考え方は間違いで、スポーツの上達には個人差があることを認識したうえで、その子に合った負荷で楽しく筋トレをさせれば、決して危険でもマイナスでもありません。
上の図のように、適度な重量負荷であれば、ジュニア期でもトレーニング前後で筋力の発揮に十分に成果が得られることがわかってきています。腕立て伏せや腹筋・背筋運動といった自重で負荷をかける筋トレではうまく鍛えられない部分を、他人に負荷をかけてもらったり、危険のない範囲でウエイト器具を使用してトレーニングすることは、筋肉や神経の発達をバランスよく促すことにつながるはずです。
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