人の上に立つ人間こそ、下から支えるべし
これだけのスタープレイヤーにして、これほどまでの柔軟性を兼ね備えている選手が未だかつて存在しただろうか。自分を引き立て役にしてでもチームの勝利を優先する。そんなレブロンの姿勢は、チーム全体を大いに刺激している。だからこそ、重要局面ではチーム総意で「レブロン、頼む」と託せるのだ。
〜レブロン・ジェームズから導く結論〜
レブロンの軌跡から、我々は何を学ぶべきか。それは、誰かと一緒に仕事をする以上、「周りを信頼し、みんなで支え合う」という協調性や謙虚な姿勢の重要さだ。
新入社員として入社してから努力を重ね、結果、会社で一番の稼ぎ頭や花形を任せられることになるのは素晴らしいことだ。しかし、そこで周囲に努力を強要したり、自分がトップだと過信して声を荒げ、仕事を取り上げ、すべて自分で解決したりしようとすると、チームは崩壊の一途を辿ることになる。
まさにレブロンが身をもって経験してきたことである。
そんな人はきっと、周りから怖れられながらも「頼りになる」という評価も得ているはずだ。だからこそ仲間に心を開き、全員で目標をクリアするためにときにサポート役に回ることで、チーム全体が活性化し、パフォーマンスが発揮されるのではないか。
実際、レブロン加入前のレイカーズは6シーズン連続でプレーオフから遠ざかっていたが、現在は強豪ひしめくNBAのウェスタン・カンファレンスで首位を維持し、今年の優勝候補となっている。
レブロン・ジェームズは、
人の上に立つ人間こそ、下から支えることが大切だと教えてくれるリーダーなのだ。
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上に戻る 市川明治=取材・文