シャルロット・ペリアンの「ベルジェ スツール」1953年にデザインされ、’55年東京で開催された「巴里ー芸術の総合への提案 ル・コルビュジエ、フェルナン・レジェ、シャルロット・ペリアン三人展」で初披露された。オーク材のナチュラルとブラックと、そしてここでは紹介していないウォールナット材のナチュラルの計3タイプ。
ル・コルビュジエ派といわれるデザイナーは皆そうだと思うんですが、ペリアンのデザインも機能的で、生活に役立つ利便性が根底にある。1940年ごろに来日したときは、柳宗理と一緒に1年余り日本を旅したことがあり、日本の素材や技術、文化にとても影響を受けています。だから日本の家具や建築ともとても相性がいい。
和室のある家に住むようになって、改めてフランスの家具は日本の家に合うことを実感しています。半世紀以上も受け継がれているデザインにはきちんと理由があり、そういう家具を家に取り入れるということは、生活が豊かになるということなのではないでしょうか。
家具のデザインは本当に面白い。ペリアンをはじめ、柳宗理、坂倉準三、プルーヴェ、ジャンヌレといったデザイナーは知れば知るほどすごい。僕が共感するのは、デザインは自己表現ではないという考え方。だから、実用性が高く生活にすっと馴染む力がある。
家族と暮らすなら、やはり皆で共有できることが大事。かわいらしいフォルムでありながら機能性に優れた家具なら、奥さんもきっと「なんかいいじゃん」って許してくれるんじゃないかと。あと、カッシーナさんもいつまで作ってくれるかわからないし。(笑)
いいモノって確かに実用的なんです。
藤井隆行(ふじいたかゆき)●東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。近ごろは免疫力を上げようと自宅の裏山を走る日々。その結果、ナイキ ACGやイノヴェイト、ニューバランスなどのトレランギアにドハマり中。
竹内一将(STUH)=写真 町田あゆみ=文
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