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コーヒーの味の決め手。それは“走ること”

「コーヒーは豆を生豆のまま輸入して、それを日本で焙煎して提供することになります。焙煎するときにはテイスティング、つまり味を取るんですが、走ったあとに味を取ると繊細なところまで感じ取りやすくなるんです。
香りにも鋭敏になって、焙煎士としてレベルの高い仕事ができるんですね。走ることが仕事にも直接活かせているなと感じる瞬間です」。
小林修人
焙煎士。耳触りのいい今どきの職業に聞こえるかもしれないが、実際は淡々と地味な作業が繰り返される仕事だ。
そこにもランナーのマインドが活かせているようで、反復作業がむしろクリエイティブに繋がる点はランナー向きなのかもしれない。いや、ランナーが焙煎士に向いてるというべきか。
「最初から今のようなスタイルで走っていたわけではないですよ。サッカーをやっていたので、普通のサッカーウェアを何枚も着こんで、よくわからないまま走っていました。もともとはサッカーのための体力作りだったんですよね。
それで当時の職場の上司に走ってみないかと促されて、よくわからないまま河口湖のマラソンに出て、今思えば凄いことなんですけど2時間57分台で走り切ってしまいました。ポジションがウイングだったから、基礎的な走力があったんでしょうね。今思えばペース配分もあったものでなく、ムチャクチャなレース展開でしたけど、そこから徐々にハマっていったという感じです」。
小林修人


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