ギア好きの琴線に触れまくる完成された美しいフォルム
ドイツ製品らしい精巧なその造りは、同時期にアメリカやイギリスで作られていたシンプルな構造のランタンとは一線を画す。200以上のパーツから構成される構造は基本的に発売開始当初から変わっておらず、古いものも新品も同じパーツで修理ができるそう。それほど完成された形だったのだ。
「他社のランタンと比べて、当時のペトロマックス製ランタンの何が特徴だったのかは、正直私たちにもわかりません。現在は、数少ない現行品の灯油ランタンであることと、昔から変わらない美しいデザインが売りではあるのですが……」とは、日本での輸入総代理店・スター商事の広報を務める仲平さんの弁。
あくまで想像の域を出ないが、当時はタンクの容量や耐久性など、実用面の利点があったからこそ世界中に普及したのでは、というのが彼らの見立てだ。
スター商事がこのランタンを日本に持ち込んだのは、1999年のこと。
「それまで、うちはスウェーデンのブランド『オプティマス』のランタンを扱っていました。その生産が終了するタイミングで、代わりに海外の展示会で見つけてきたのがペトロマックスでした」。
当時はランタンのみを扱うブランドだったそう。しかし、のちに本国の社長を務めることになるジョナス・タウレックの登場が契機となり、ペトロマックスはブランドとして大きく舵を切ることとなる。
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