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2020.03.26

自称「バイエルンのエンジン屋」。世界のSUVブームを牽引するBMW

車のトリセツとは?
バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke)。これがBMW社の正式名称だ。

社名は今も「バイエルンのエンジン屋」

日本語に訳すなら、バイエルンにあるエンジンを作る会社、といったところ。
ドイツで最も南のバイエルン州で、車ではなく、航空機のエンジンを作る会社として始まった。だからBMWのエンブレムには今も青い「空」と白い「雲」の中で「プロペラ」が回っているのだ。
写真の303が初めての完全オリジナルの車となる。搭載したエンジンは直列6気筒、また現在も続くキドニー(肝臓という意味)グリルもこの頃から備えられている
航空機時代に得意としたエンジンが直列6気筒だ。第一次世界大戦時にドイツの戦闘機もこのエンジンを載せていたが、敗戦国となり、一時家具を作るなど苦汁を飲む。その後バイクを作るようになると次第に車も手掛けるようになった。
1926年に再び航空機のエンジン製作が許されたが、第二次世界大戦で再び敗戦国に。しかも工場のあったアイゼナハ市が東ドイツに編入されてしまう。
工場も資金もない中、最初は戦前の直列6気筒を載せた大型車を販売するが、商業的に失敗。一時は倒産寸前まで追い込まれる。
資金の乏しかった頃、イタリアのイソ社と提携して同社のイセッタを改良して販売し、糊口を凌いだ時期もあった。
そんな苦境を打破したのが、大型車と小型車の中間クラス、同社が「ニュー クラス(ドイツ語でノイエ・クラッセ)」と呼んでいた、4ドアセダンの1500シリーズだ。
これが人気を集めると、同シリーズよりコンパクトな2ドアクーペ、今も人気のある「02(マルニ)」こと2002シリーズも開発。2002はレースにも参戦したことで一気に人気車に上り詰めていった。
戦後同社の再建に大きく貢献したのが1500シリーズ。搭載したのは直列6気筒ではなく、同じく昔から作っていて同社としては得意だった直列4気筒だ。
その後1500シリーズは、後継モデルで直列6気筒を復活させ、現在の5シリーズや7シリーズへと繋がっていく。また2002シリーズは現在の3シリーズの祖となった。今ではイギリスのロールス・ロイスとミニを傘下に置く企業グループへと成長している。
同社のキャッチコピーは「駆け抜ける歓び」だ。
正確なハンドリングを実現する足回りなど、世界中の車好きを唸らせる幾多の技術が「駆け抜ける歓び」を支えているわけだが、まるで絹のように滑らかに回るさまが「シルキーシックス」と評された直列6気筒をはじめ、気筒数を問わず滑らかに回る同社のエンジンが、その歩みの根底にあるといっても過言ではないだろう。
2002シリーズは、初登場のレースで当時の絶対王者だったポルシェ911を破り、さらに翌年は航空機の技術をフィードバックしたターボを搭載した車でレースを席捲した。そのターボエンジンを積んだ市販バージョンが2002ターボだ。


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