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仕事に壁はなし。縦横無尽なデザインワーク

自転車は小田さんの趣味のひとつ。「アウトソールがツルツルした革靴だとペダルから足を滑らせてしまうので、乗れないんですよ。でも、グリップが利いたコール ハーンのシューズなら問題なくいけそうですね」。
小田さんの勢いは止まらず、現在抱えているプロジェクトはおよそ10。同時進行の数もさることながら、驚きはその領域の広さだ。縦横無尽な仕事ぶりはこれまでの実績を振り返れば明らかになる。
ニュースメディア「NewsPicks」のVI計画やユーザーインタフェースの開発、ディスクユニオンの「DIVE INTO MUSIC」、そしてコム デ ギャルソンの「ノワール ケイ ニノミヤ」のデザインワーク、本にまつわる雑貨ブランド「ビブリオフィリック」のブランディングなど、まさにノーボーダーである。
そして、その手は今や街づくりにまで広がった。きっかけは「まちづクリエイティブ」の代表、寺井元一さんだった。「まちづクリエイティブ」は、その名のとおり持続可能な街づくりをコンセプトとする会社だ。
「まちづクリエイティブ」の前身となる渋谷のNPO法人「KOMPOSITION」には、デザイナー人生を左右するほど大きな影響を受けたという。もちろん、こちらも寺井さんが立ち上げた法人である。
「宮下公園やセンター街の壁面をグラフィティライターたちに開放した仕掛け人ということで、深夜のドキュメント番組で偶然知りました。彼らは事前に、描いた絵の除去を約束をすることで、行政から正式に『合法に描いていいよ』と許可を得たんです。時代を象徴するようなカルチャーを発信してきた渋谷らしいアイデアだと思いました」。
知人を介して寺井さんと知り合った小田さんは、「仕事を手伝って欲しい」という寺井さんのオファーを二つ返事で引き受けた。
その後、小田さんは「まちづクリエイティブ」取締役に就任、今に至る。
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