疲労回復やイライラ防止の効果も。摂取するなら朝や昼がオススメ
「とはいえ甘いモノを完全に断つのは、なかなか難しいものですよね。我慢のし過ぎがストレスになるケースもありますし、そもそも働き盛りの男性には、敢えて甘いモノを積極的に摂取したほうが良い、というシーンもあると思います」。
冨田さんによれば、忙しい毎日を過ごす男性の中には朝食や昼食を抜いてしまう人が多いため、活動に必要な体内のブドウ糖が一時的に足りなくなっている可能性もあるという。
「ブドウ糖はカラダの重要なエネルギー源ですから、不足するとカラダ活動に影響が出てしまいます。朝食や昼食を抜いた結果、疲労感をおぼえたり、イライラしがちになっていたりするようなら、甘いモノを摂ることで改善が期待できます」。
つまり、疲労回復やイライラ防止のための“緊急措置”として、食事を抜きがちな朝や昼に甘いモノを摂ってエネルギーを補うのは有効というわけだ。ただし、その際に摂る甘いモノの選び方には要注意とも。
「市販のスイーツ類には、かなり多めの砂糖が使用されているので、摂取する分量はなるべく控えめにするのがポイント。たとえばチョコレートなら、つい一枚食べきってしまう板チョコタイプではなく、粒タイプや個包装タイプを選ぶなど、節制をしやすいチョイスを心がけたほうが良いでしょう」。
また、同じ甘いモノでも、やはりフルーツ類のほうがカラダには良いのだという。
「甘いモノを選ぶ際、パッケージに表示があるなら『GI値』をチェックし、値が低いものを選ぶ習慣を身につけると良いかもしれません。GI値とは簡単に言うと、血糖値の上昇のスピードを測る指標。GI値が低い食品は、血糖値の上昇が緩やかなので、糖尿病や中性脂肪蓄積のリスクが低いと考えられるのです。例えばバナナは甘味が強いフルーツですが、実はGI値が低いので、血糖値が気になる大人の男性にはオススメのスイーツといえるかもしれませんね」。
ちなみに、甘いモノの摂取タイミングとして、もっとも危険なのは夜。エネルギーの消費量が少ない時間帯なので、中性脂肪の蓄積につながりやすいのだという。甘いモノを摂取するなら、朝か昼にしよう。
結局のところ大人の男性にとっては、なるべく摂らないに越したことはない、というのが砂糖のリアルのようだが、シーンや分量を間違えなければ、そこまで恐れる必要はないのかも。疲労やストレスのない毎日を過ごすため、甘いモノを上手に活用してほしい。
【取材協力】FLUX CAFE
管理栄養士がメニューを監修し、日々の食事から健康をサポートしてくれるカフェ。「限りなくグルテンフリーに近いおばんざい」と「アスリート飯」という、ふたつのコンセプトを軸に食を提案している。欧米化が進んだ日本人の生活におけるグルテンの過剰摂取と、それによる腸への負担やさまざまな免疫疾患を軽減してくれる食事を求め、ランチやスポーツ後に足を運ぶ人が多い。
住所:東京都渋谷区猿楽町3-7 代官山木下ビル1F
電話:03-6452-5778
www.flux-cafe.com/ 取材・文=石井敏郎