物心ついた中学生の頃、自ら見つけ出した好きなこと。それに夢中になって、没頭して、気付いたら今ある自分はそこから始まっている。
現在、ディーゼルのブランドコミュニケーションとして、そしてDJとして日本全国のみならず、海外へも活動の幅を広げているJOMMYは、10代半ばで出会ったダンス、音楽、ファッションが、その後の自分を築き上げていった“種”だと言う。
「カッコイイ先輩たちと一緒に遊ぶようになってヒップホップのダンスを知って、そこから音楽やファッションなどのブラック・カルチャーにのめり込んでいきました。今回、紹介するレコードは、当時レコードが欲しくて東京・渋谷宇田川町のレコード屋へ買いに行っていたときに出会ったもの。とにかく夢中でした」。
1990年代初期、初めて遊びに行ったクラブは、今はなき六本木にあった「END MAX」。ヒップホップやレゲエが流れ、新しいものを求めるエッジの利いた人々が集まっていたイベントで、さまざまなことを学んだそうだ。「クラブやストリートで遊ぶことは、僕にとって学校で学ぶことと同じでした。そういったカルチャーが、今につながっています」。
しばらくしてクラブで遊んでいるとき、日本で始まったばかりのディーゼルのスタッフに声をかけられ、店でアルバイトをするようになる。
「デニムもリーバイスしか知らなかったのに、ディーゼルで働くようになって、ヨーロッパのカルチャーにも目を向けるようになったんです」。
JOMMYはそのとき20歳そこそこ。東京のストリート・カルチャーが急成長していく時代のことだ。
1_ピートロック・アンド・シー・エル・スムーズ「オール・シュッド・アウト」
2_ジギー「トス・イット・アップ」
3_ピートロック・アンド・シー・エル・スムーズ「ゼイ・レミニス・オーバー・ユー」
4_ア・トライブ・コールド・クエスト「ザ・ロー・エンド・セオリー」
5_ジギー 「ジギー」
6_ナイス・アンド・スムーズ「ケーキ・アンド・イート・イット・トゥー」
7_ジギー 「レキン・イン・ザ・ドフ」
90年代前半、クラブを中心に活躍していたNYのストリートダンサーたちで構成されたユニット、ジギーをはじめ、ナイス・アンド・スムーズ、ピートロック・アンド・シー・エル・スムーズ、ア・トライブ・コールド・クエストなど、JOMMYがヒップホップにのめり込んだ90年代初期に購入した12インチレコード。
ヒップホップシーンはオールドスクールからニュースクールへ。音、ファッションともに90年代カルチャーの源となり、現在も色褪せないヒップホップ・アンセム。
Yuji Kaneko=写真 吉岡加奈=文