アメリカと日本で育んだ道具に対する独自の価値観
ポールさんは、道具を手掛けるにはセンスと自分なりの基準を持つことこそが大切だと説く。
「私の場合は、22歳までアメリカで生活してきた感覚に加えて、日本で骨董品を扱っていた時期にものを見るセンスと価値観を養わせてもらいました。当時の民家からは松本城の弾薬箱が出たり、博物館クラスの民具を目にできる機会も多かったんですよ」。
アメリカと日本、異なる2つの大きな経験が、ポールさん独自の価値観とファイヤーサイドの道具を形作っているのだ。
「昔に比べアウトドアへの関心が高まっている時代だからこそ、安い買い物ではないかもしれないけれど、長く使ってもらえる本物を届けたい。ただ便利な道具としてだけではなくて、火を焚いて日常を楽しくするための作り手のこだわりも伝えたいんです」。
今年からは新たにモバイル型のサウナテントの展開も始め、ゆくゆくは駒ヶ根を「薪火の聖地」として盛り上げたいと笑うポールさん。そのパッションの炎はまだまだ消えそうにない。
[問い合わせ]ファイヤーサイド0120-46-7877(平日9:00〜17:30)www.firesidestove.com池田 圭=取材・文 宇佐美博之=写真