山ヤが選ぶランニングギアとは
「走っている理由が理由なので、果たしてランナーと呼んでいただいていいものなのか」と謙遜する松尾さんだが、山に行かないときでも週3ペースで走ると言い、スラッとした立ち姿はどこからどう見てもランナーだ。
けれども、ランニングで使用するギア選びは確かに一般的なランナーとは少し様子が違っている。
取材時はまだ肌寒かったので、トップスはウールのフーディだ。メリノウール素材は濡れても保温力が下がりにくいため、山での汗冷えが防げると近年アウトドアで評価が見直されている天然素材。
「山ヤなので、普段のランニングでもトレイルランニングやトレッキング用のアイテムを使うことが多いんですよね。アクリマはメリノウール素材のベースレイヤーなどを手掛けるノルウェーのブランド。これはフード部分が着脱できるセパレートタイプなので、今日みたいにネックウォーマーとしても使えますし、完全に取り外すこともできます。もちろんフードとして被ってもOK。冬場のハイクからスノーボードまで幅広く着まわしています」。
グレーの落ち着いたデザインは街にも好ましい。同じくパンツも山用のアイテムで、日本のガレージブランド「山と道」の定番ボトムスだ。
「ロングトレイルをスルーハイクする人のために開発されたパンツです。いちいちバックパックを下ろして荷物を出し入れする手間を省けるようポケットがたくさんついているんですが、これが都会ではくにも便利。トレイルでの足さばきを考慮したテーパードシルエットで、その点もファッションとして取り入れやすいんですよ。だから普段ばきもしています」。
3/3