デニム同様、使い込むほどにその素材は変化し、唯一無二としての価値が生まれる「経年良化のブロンズウォッチ」。
オススメの6本はすでに紹介済みだが、腕時計は着けて初めて本来の存在感を主張する。
ブロンズウォッチはファッションとセッションするとどんな化学反応が生むのか、迫ってみた。
BVLGARI
ブルガリ/ブルガリ・ブルガリ
古くから金貨は時の為政者の権力の象徴として、肖像画や名を碑銘として刻み込んだ。「ブルガリ・ブルガリ」はそんな帝政ローマ時代のコインにインスピレーションを得たもの。ベゼルにブランド名を記したのは、歴史を重んじ、ローマの伝統を現代に受け継ぐブルガリらしさだろう。
まるでアンティークコインのように、ブロンズケースは時の流れとともに魅力的に表情を変える。マットネイビーのダイヤルは控えめながらも躍動感を与え、さらに同色で統一したラバーメッシュのストラップが気品のあるコンビネーションを演出する。
カジュアルダウンさせた気取らないジャケットスタイルに
スポーツモデルが主流を占めるブロンズウォッチのなかでも、「ブルガリ・ブルガリ」は洗練された品の良さが漂う。それゆえ、テーラードジャケットにも違和感なく収まり、袖ボタンとのさりげない色合わせも大人のダンディズムを感じさせる。
オフシーンを想定するなら、リジッドデニムを合わせ、シャツの袖を軽く捲るのもいい。そんなエレガンスとカジュアルが共存する装いのジョイントになってくれるのが、それらの要素を併せ持つこのブルガリのブロンズ時計なのだ。
川田有二=写真 菊池陽之介、石川英治=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 柴田 充=文