子供と一緒だからこそ、できること
生産者の思いを感じながら野菜を手に取り、選び、感謝の気持ちを持って食べる。そんな普段は忘れていた食の大切さを改めて見つめ直せるのが、ファームクラブだった。
イベントでは、ベビーリーフの種蒔きワークショップに参加できる特典も。店内では柳田さんの指導のもと、恐る恐る種をポットに蒔くお子さんの姿も見られた。そしてその中には、柳田さんの娘さんの姿もあった。大好きなパパの背中を追ってお手伝いにきていたのだ。日頃の親子の絆を感じさせる。
毎日お世話になっているはずなのに、なぜか少し遠い農業と私たちの関係。柳田さんは生産者として、親として、農業がもっと身近な存在になることを願っている。
「子供と一緒だからこそ、もっとファーマーズライフが楽しめると思うんです」。
改めて言葉で何かを教える必要はない。子供と一緒に感じ、学んでいく。その経験こそ親子のかけがえのない時間となるはずだ。
藤野ゆり=取材・文 小島マサヒロ=写真