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ファッションのように食材も楽しめたら

柳田さん
「普段ディセンダントは洋服に興味を持っている方々が多くいらっしゃいますが、コーディネイトを選ぶような感覚で食べるものにも興味を持っていただけたらなと思い、ここで開催することを決めました。暮らしには衣食住のバランスが大切です。食を見つめ直すひとつのきっかけになれば嬉しい」。
現在、埼玉県小川町で農業の研修を受けている柳田さん。小川町は有機農業が盛んなエリアとして有名なのだという。今度の4月末で2年間にも及ぶ研修期間を終え、晴れて農家としての独立が叶う。柳田さんが農業に興味を持ったのはなぜだったのだろうか。
「母が食に気を遣う人で昔から食卓には有機野菜や無添加の食材が並んでいたこともあり、食への意識は高かったと思います。小さい頃から将来的に自分で食べるものを作りたいなという思いは漠然と持っていました。食べたものが自分の体を作るわけだし、食を気遣うようになると体だけじゃなく心も豊かになるんです」。
野菜
数年前に自身の子供が生まれたことで、その思いはより一層強くなった。妻と6歳の長女、3歳の次女の4人家族。農業と子育てはどこか通ずるところがあると話す。
「作物は個性豊かな愛しい子供のような存在。不思議なんですが、作物も気にかければかけるほど応えてくれるんです。元気がないなと思って気になる部分に手をかけると、2〜3日後に見違えた姿を見せてくれる。正解かどうかわからなくても、何かしら反応があるのが野菜作りの面白いところです。そうやって試行錯誤を繰り返すのは子育ても同じかな」。
農業は自然任せであり、自分任せでもある。利益ばかりを優先するのではなく、作物の目線に立ち、作物にとっていちばんいい環境を手助けしていきたい。それは子育てにおける親心とまったく同じ。農家を選択し、都市部から埼玉県の自然豊かな土地に引っ越したのは、さまざまなものに触れられる自由な環境で子供たちを育てたいという思いがあった。


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