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基本は「山ヤ」。ゆえに、すべてのランは山のため

「自然の中に身を置くのが好きで、しょっちゅうキャンプに行っていました。そのライフスタイルにちょっとした変化を余儀なくされたのは、5年ほど前のこと。長女の学校で土曜授業が始まって、なかなか家族揃ってキャンプに行くのが難しくなってきたんですよね。そこで、日帰りで自然を満喫するためにトレッキングを始めました。最初は筑波山や奥多摩といった手軽なところをよく登りましたね」。
松尾忠尚
今では日本百名山などの本格的な山登りも行っている。一方、気軽に行ける里山でも変わらず遊んでいるという。その理由は「日帰りでできるから」だ。
「ここにも家族構成の変化が影響していて、第2子が産まれてからはトレッキングなどの山遊び全般に使える時間が以前より限られてきてしまって。それこそ泊まりがけで山に行くのは難しいんです。八ヶ岳やアルプスといった、通常は泊まりがけで行くようなダイナミックなルートで遊ぶためには、山での移動スピードをあげて所要時間を短縮するしかないな、と」。
そこでトレーニングがてら走るようになった、というわけだ。
松尾忠尚
「そんな経緯で走りはじめたので、トレイルランニングにも興味があって、走るときのアイテムはトレイルランニングギアが中心です。“山ヤ”ですから」。
さらにはファストパッキングと呼ばれる、比較的軽量な装備を用い、トレイルランと登山の中間のようなスピードで行う快速登山も行っている。装備の重さは安全面に直結するといわれているので、重さを削る分、ハイカーには相応の体力が求められる。
「だから、ランニングでの体力づくりは山遊びを満喫するための手段なんです。今は週に3回ほどは走っているでしょうか。職場から自宅まで帰宅ランをすることもあります。いざ走り始めてみたらけっこう面白くって、ランニング自体も好きですね。好きなタイミングで、シューズさえあればできるのもいい」。
松尾忠尚
それこそ帰宅時に家まで走るように、特別な道具がなくても場所を選らばずにできるのがランニング。水泳や自転車では難しい。それが多忙な松尾さんのスタイルにハマった。
「お気に入りのランニングコースは世田谷の砧公園です。都心の住宅街のなかの公園ながら、芝生や緑が多く、ゆるやかなアップダウンのあるクロスカントリー的なコースが取れるんです。朝の7時台に走ることが多いでしょうか。自然を感じながら走れるのでリフレッシュできるし、頭もリセットできますよ」。


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