チノパンはネオンカラーで垢抜けて
ノータックのチノパンにグレーのパーカを合わせるのは、東海岸トラッドの定番スタイルだけど、ちょっと堅苦しい印象に。アメカジ世代には涙モノのタウンクラフトのビタミンカラーのパーカを選べば、途端に西海岸の雰囲気になる。
パンツ1万8000円/ポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン 0120-3274-20)、パーカ5800円/タウンクラフト(セル ストア 03-6459-3932)、シャツ4万2000円/ロンハーマン デニム(ロンハーマン 03-3402-6839)、スニーカー6万円/ゴールデン グース(ゴールデン グース 東京店 03-6803-8272)
’80年代の男のカジュアルパンツといえば、デニムが主流だった。各都市にあるジーンズショップは中高生でごったがえし、リーバイスもリーもラングラーもエドウインも絶好調だった。
そんなデニムが占有する市場に、彗星のように登場したのがチノパン。当時はアメリカ製のオーセンティックな専業ブランドがいくつか存在していて、インポートショップにはバリー ブリッケン、ラフューン、ブリティッシュ カーキなどの質実剛健なチノパンがズラリと並んでいた。今の高校生と比較すると考えられないけれど、僕らは高校生の分際でチノパンに夢中になっていたのだ。
そうした専業ブランドとしのぎを削っていたのがラルフ ローレン。キレカジの象徴だったツータックの“紺チノ”をはじめ、ノータックのミリタリーテイストのもの、ビッグポロに似合うバギータイプのものなど、豊富なシルエットから選べるのが魅力的だった。
あの懐かしの紺チノも気になるけれど、今気になるのは、腰回りがスクエアなノータックのチノパン。このなんともアメリカ的で武骨なパンツに、底抜けに明るいカリフォルニアを連想させる蛍光色のフーディを合わせてみる。中年にはハマりすぎてしまうチノパンをこなれた感じではくには、こんな“ギャップ”が大切なのだ。
谷田政史(CaNN)=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介、松平浩市=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク 増田海治郎、髙村将司、いくら直幸、増山直樹、菊地 亮=文 長谷川茂雄、今野 壘、大関祐詞=編集・文