唯一無二の存在感。「クロノグラフのパイロットウォッチ」厳選6本

ケースや文字盤のデザイン、素材使い、ディテールワーク。一見同じようでいて、それぞれがまったく異なる腕時計。
素晴らしい腕時計には、唯一無二の存在感が宿っている。強い意志を持つかのように語りかけてくる「クロノグラフのパイロットウォッチ」6本を厳選した。
 

大空を自由に飛ぶ精神を受け継ぐバイカーズウォッチ

ZENITH
ゼニス／パイロット タイプ20 クロノグラフ トンアップ

ゼニスは1909年に英仏海峡横断飛行に成功したフランス人飛行家ルイ・ブレリオが腕にしたことでも知られ、商標権を所得したことから唯一文字盤に“PILOT”の名を刻むことができる時計ブランドだ。
本作は伝統的なパイロットウォッチのスタイルにヴィンテージモーターサイクルを結びつけたもの。’50年代、スピードを競うため独自の改造を施したカフェレーサーの世界観から、オールブラックのデザインとオイルドレザーストラップを組み合わせる。これは当時バイカーたちが愛用した黒のライダーズジャケットが飛行士の放出品だったことも符合するのだ。
 

本格ミリタリー仕様をよりスタイリッシュに

BELL ＆ ROSS
ベル＆ロス／BR03-94 デザート タイプ

航空機のコックピット計器をモチーフにしたデザインは、ベル＆ロスのアイコンになっている。特にこのモデルでは、砂漠でのミッションを担う空軍に合わせて、ダイヤルとストラップにサンドカラーを採用。セラミックスケースは、高温、強酸、腐食、侵食のほか、軽量かつ低アレルギー性にも優れる。
また2層構造のダイヤルには、ミリタリーのマーキングをモチーフにしたインデックスがカットアウトされており、高い視認性を確保。本格ミリタリーテイストにスタイリッシュさを両立する。
 

不測の事態への装備にドイツのモノづくりが息づく

SINN
ジン／103.TI.IFR
どれだけデジタル技術が進化したとしても、航行には人間の判断に委ねられる瞬間がある。これを支えるため、2016年に発効された新たなパイロットウォッチのドイツ工業規格、DIN8330に準拠し、万が一の事態にはコックピット内の時間計測機器を代替する。ドライカプセル搭載、EDR（超拡散削減）パッキン、プロテクトガス充填という3つの要素からなるArドライテクノロジーにより、オイルの劣化や風防の曇りを避ける。また特殊オイルにより、-45℃から+80℃での過酷な環境下でも精度を維持する。