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プロセスを楽しむための3つのメソッド

小杉幸一
クリエイターが誤解されがちなのは、100%自分が好きなものを作り、表現していると世間に捉えられることだ。しかし往々にしてデザインは誰かのためのものであり、クライアントや世間が好きなものを考えて表現されることが多い。その中で制作のプロセスを楽しみ続けることこそ、小杉さんの考える「自分らしさ」だった。
「僕の中で3つ、プロセスを「楽しむ」うえで勝手に考えているメソッドがあるんです。1つは『人格』。クライアント企業はどんな人格なのかを真摯に考えること。2つめは、これからのクリエイターに必要な『翻訳』。どこに行っても、あらゆる人たちの間に入って、時代や環境に合わせて表現を翻訳することができるか。3つめは『ルールを作る』。メディアの可能性が広がって『一枚絵』を作る時代は終わりました。無限のやり方があるからこそ自分の中でクライアントに適した表現にルールをつくる。手触りや匂いなどの五感ですら、表現でルール化でき、それを一枚絵の概念に落とし込む。そんなデザイナーになりたいと思っています」。
プロセスの中に盛り込まれた自分らしさが、アートディレクターとしての自信をさらに高めてくれたのだ。


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