仕事では社運を賭けた一大プロジェクトを任されており、残業も多い。
「平日は家族と一緒に過ごすことが難しいので、その分、週末は家族との時間の比率が増ました。遠くに走りに行ったり、各地の大会に出たりといった機会は減っています。限られた時間の中で走らなければならず、バランスを取ることの難しさを最近感じています」。
お気に入りのランニング時間は明け方。自宅付近の代々木上原や中目黒あたりは坂道が多いため、その起伏を交えたコースを走る。仕事に向かう前の良いルーティンになっている。
休日は夕方にふらっと走り始め、近所のアイリッシュパブやバーでクラフトビールを軽く飲んで帰ることも。「ランニング時には、『ポッドキャスト』や最近ではボイスメディアの『ボイシー』で興味を惹かれるテーマを聞きながら走ることが多いです。イヤフォンを持たずに走るときは、仕事のことを考えます。従業員のこと、中長期的な組織ビジョンのこと、翌週すべきアクションのこと、将来のキャリア……。普段オフィスにいるときにはゆっくり時間を設けて考える時間を持てないことが多いですし、職場空間を離れたほうが、課題や問題点を客観的に把握できる気がします」。
ランニングをしないとほかのことにも調子が出ない。走ることで頭のなかに考えるためのスペースが確保され、ビジネスにおいても前向きな解決策が思い浮かぶ。こういった声は、欧米のスタートアップ企業のメンバーからもよく聞かれることだ。
「だからこそ、ランニングは日常のなかにもっと取り入れていきたいですね」。
後編では、ときには通勤ランも行うという横山さんの愛用ギアを紹介する。
RUNNER’S FILE 04
氏名:横山和哉
年齢:33歳(1986年生まれ)
仕事:株式会社リアルゲイト 取締役 管理本部長(公認会計士)
走る頻度:週3日、30分~1時間程度
記録:フルマラソン3時間2分(2018年東京マラソン)、UTMF・アイアンマントライアスロン完走など
小澤達也=写真 礒村真介(100miler)=取材・文