もちろん、私的フェイバリットも大切に
──そうしたルーツは、レコードで掘り下げると余計にしっくりきますね。真柄 やっぱりディグすることがアナログレコードの醍醐味ではありますよね。個人的なお気に入りや、思い入れの強いものができるともっと楽しいですよ。この
『日本解放最前線』(24)なんかは、あまり多くは語れないですが(笑)、匿名のクレジットで活動中のパンクのバンドなんです。僕はすごく好きで。スケーターでもあるアーティストのesowさんっていう方がジャケットを手掛けています。
あと、
なかの綾(25)もすごくレコード映えするアーティスト。昭和歌謡をラテンアレンジしてたりするんですけど、すごく面白い。
T字路s(26)も結構なムーブメントになってきている男女のブルースユニットで、サブカルというか癖になる感じで、個人的にも好きなんです。
──こうして見ると、いわゆるクラブプレイやDJ以外にもレコードの入り口はたくさんあるんですね。真柄 そうです。生音とかジャズとか、音質を特に重んじるジャンルが好きな人たちは12インチにこだわったりもしますけど、最近はより扱いやすい7インチで再発されているものも多いので、探していくと楽しいですよ。
昔はみんな最初、「ベストヒットUSA」みたいな番組で、少しずつ曲を知っていったりしたじゃないですか? 今は情報源もあの頃よりずっと多いし、大人も重い腰を上げて、ぜひアナログレコードを“ディグ”してみてほしいです。
レコードを聴くなら、まずはコレで!テクニクス「SL-1200MK7」クラブやDJの現場でもトップクラスのシェアを誇る、ターンテーブルの名作シリーズの最新作。大音量でも安定感を失わない、高いハウリング耐性と、音質劣化の少なさが魅力的な1台。高音質設計なので普段のレコード再生にも十分満足できる1台だ。
高橋絵里奈=写真 今野 壘=編集・文