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2020.01.25

ニュース

大震災を乗り越え25年。特別な日に飲みたい奇跡のヴィンテージ日本酒

世界の星付きレストランにオンリストされたり、サミットで各国の首脳に振る舞われたりと、国際的な評価を高めている日本酒。
搾りたての新酒やひやおろしなど、フレッシュなタイプに目が行きがちだが、その一方で、ウイスキーやワインと同じく、日本酒にも“熟成”という概念があるのをご存じだろうか。こんな唯一無二の古酒(長期熟成酒)の存在を知ってしまったら、その奥深さに感嘆せずにはいられない。
現外
25年熟成「現外(げんがい)」16万5000円/SAKE100 sake100.com
「SAKE100(サケハンドレッド)」は「100年誇れる1本を。」をテーマに掲げる高級日本酒ブランド。酒蔵とタッグを組んで、高品質なオリジナルの日本酒を開発している。
そんな同ブランドから今回リリースされた「現外」には、ことさら特別なストーリーがある。生まれたのは、日本屈指の銘醸地として知られる兵庫県。1995年に発生した阪神・淡路大震災によって、江戸時代に建造された蔵を含むすべての蔵が倒壊したなかで、奇跡的に残ったタンクがあった。そのなかに入っていた酒母(日本酒の元)を使って作られたのが、この「現外」である。
イメージ
満足な醸造設備がないなかで作られたこの酒は、完成当時は味のバランスが著しく不均衡だったが、20数年の熟成によって驚くほどの変貌を遂げる。あらゆる要素が調和し、円熟を極めた絶妙な味わいに進化したのだ。
美しいアンバー色の液体からは、カラメルのような甘味、ビターチョコレートのような苦味、アーモンドのようなロースト感、さらにはスパイシーなニュアンスといった、複雑かつ豊かな香りが立ちのぼる。
現外
その味わいには甘味、酸味、苦味、旨味が凝縮されており、和の味覚はもちろん、フォアグラや牛フィレ肉など洋の食材とも好相性。さまざまな料理との上質なペアリングを楽しめる。
ペアリング
未曾有の災害を免れ、熟成の妙味によって生まれた、まさに奇跡の一本。その特殊な出自ゆえ、同じものは二度と作れないという。我々を非日常へと誘うヴィンテージ日本酒は、本当に特別な日にこそ、口開けして楽しみたい。
 
[問い合わせ]
SAKE100
sake100.com
中山秀明=文


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