OCEANS

SHARE

この格好のまま走って、接客して、なんなら子育ても

「ランニングウェアの着こなしって2通りあると思っていて、ひとつはウェア=戦闘服という考え方。日常とは違うモードへと切り替えるスイッチを入れるツールにすること。こういった選び方はもちろん大事で、僕も始めたばかりのころは勝負服的なランニングウェアで走っていました。それこそコンプレッションタイツを穿いてみたり。
でもだんだんと走ることが当たり前になってくるにつれ、むしろ着たいのは普段着のようなデザインだよなと気が付いたんです。日常生活に溶け込む服でいながら、いざ走ったときには軽くて動きやすく、速乾性があるようなもの。これがもうひとつの考え方です。今日のこの格好のままランニングをするけれど、そのまま接客もしますし、機能的だから子供の世話にもちょうどいいんです」。
桑原慶
ボトムスは北欧のアウトドアブランド、フーディニの「スウィフトパンツ」。街着としてもオシャレなサルエル風シルエットがお気に入り。
桑原慶
このようなスタイルに至るまでには、やはりトレイルランニングの影響が大きかったそう。
「トレイルランナーって、走ることを競技としてではなく、自然と対話するための手段として楽しんでいたり、ライフスタイルの中に溶け込ませてる人が多いんです。レースで優勝するようなアスリートでも、どちらかというとナチュラルでカジュアルな、スポーツスポーツしていない人が珍しくありません。実はライフスタイル的な側面のあるアクティビティなんですよ。だから自分が着る服も、お店で扱うウェアに関しても、日常、ロード、トレイルみたいに分けたくないんですね」。
桑原慶
桑原さんが被るワンポイントのモデルは非売品だが、デザイン違いを販売中。「ディス・イズ・マイ・キャップ」6000円/ディス・イズ・マイ・スポーツウェア×ヴェロスピカ(Run boys! Run girls! 03-5825-4534)
「手前味噌ですがキャップはオリジナルで作っているブランドのもので、THIS IS MY SPORTSWEAR(ディス・イズ・マイ・スポーツウェア)というそのまんまのネーミングです。自分が気に入っていて、必要十分な機能があれば、それってその人にとって十分じゃないの? がコンセプト。
トレイルランで被るなら、よく汗を吸って、軽くて、視界を確保するためにツバが短く、使わないときは折りたためるソフトな素材のものがいい。そのうえで普段から被りたいなと思えるノリのデザインにしています。お店で仕入れるアイテムも同じような目線でセレクトすることが多いですね」。
桑原慶
同じくディス・イズ・マイ・スポーツウェアによるリメイクサービスを施したジャケット。ベトナムジャンパー風の刺繍は、実際にベトジャンの刺繍をやっている工房にお願いしている。定期的にオーダーを受け付けていて、手持ちのウインドブレーカーを持ち込みリメイクしてもらう。納期は2カ月程度を予定。1万5000円/ディス・イズ・マイ・スポーツウェア(Run boys! Run girls! 03-5825-4534)。


3/3

次の記事を読み込んでいます。