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オンラインでのコーチングだからこそ、腑に落ちる

公私ともにランニングへとのめり込み、トレイルランニングにおいては2015年に世界最高峰の大会とされる『UTMB』(フランス、イタリア、スイスの3カ国を舞台に、モンブラン山塊を170km周遊するウルトラトレイルレース)を見事完走。けれどもその後、プライベートでは子育てが始まり、さらには病気に悩まされたこともあって、走るに走れない時期も経験してきたのだそう。
「繰り返しになりますが、ランニングのいいところは自分のペース、タイミングでできるところ。必ずしも速く走らなくていいんです。でも逆に、タイムや順位を目指すことが楽しみさやモチベーションになることもあります。1年ほどまえからぼちぼち復帰を考えたのですが、自分がいちばん走れてたときにくらべるとまず体が重い。そこで聖蹟桜ヶ丘にあるパーソナルトレーニング兼治療院のTREATにオンラインコーチングをお願いして、継続して取り組んでいる最中なんです」。
桑原 慶
東京マラソン以降のマラソンブームが定着した今、ランニングを休止しているという人も少なくないはず。専門ショップの店主である桑原さんの復帰へのアプローチと聞けば、大いに興味がそそられるというもの。
「オンラインコーチングのいいところは、プロの手で適切な目標を立ててもらえて、その目標に向かっての効果測定もしてもらえるところ。そこで使うのがパワーメーターというツールです。例えばスポーツジムでトレーナーにみてもらったとしても、フィードバックがその場その場の主観的な判断になりがちですよね。オンラインでは直接対面でいないからこそ、客観的に計測された指標がないとコーチングになりません」。
桑原 慶
シューレースに装着しているのが、ランニング用パワーメーター。「STRYD」の第一世代モデル。2万8000円ほど。
「僕はシューズに装着するフッドポッドと呼ばれるタイプのパワーメーターを使っています。ランニングのペース(速度)がわかるだけでなく、そのときの出力や一歩ごとの接地時間、フォームのブレなど、さまざまなデータが測定できます。これに心拍数のデータを加えてオンラインで共有すると、コーチからは『今回のプログラムにおいてこの数値が出たということは、アレができているはずだね、ココがいいね』と、客観的なデータに基づいたアドバイスが受けられます」。
つまり、効果的かつ合理的なトレーニングができるということ。数値化されているためランナーとしてもアドバイスに納得のいく根拠があり、腑に落ちるので、安心してトレーニングに取り組めるのだ。
「オンラインコーチングやパワーメーターといった楽しみ方もありますが、それ以前に走ることは単純に気持ちがいい。ランニングならではの爽快感がそもそもの魅力なんです」。
あとはライフスタイルに密接に関わってシームレスに楽しめるところもいい、と語る桑原さん。それは自身のギア選びにもよく現れている。後編に続く。
RUNNER’S FILE 02
氏名:桑原 慶
年齢:44歳(1975年生まれ)
仕事:トレイル&ランニングショップ Run boys! Run girls! 店主
走る頻度:週に1、2回。週に一度は
ランニング歴:10年
記録:フルマラソン3:35(2012年 掛川新茶マラソン)、UTMBはじめ100マイルトレイルレース完走(3回)
礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真


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