ノンネイティブによる、噂のコラボ・デナリ登場!
藤井 今回紹介したい「デナリジャケット」も愛用してくれてますもんね。
佐藤 そうですね。ファーストモデルのカラシ色です。
――藤井さん、「デナリジャケット」の説明を改めて伺っていいですか?藤井 アメリカのアウトドアブランド、ワイルドシングスが’80年代にリリースして’90年代に大人気となった中綿の防寒着です。うちはコラボレーションして今回で3回目になりますが、いろいろとマイナーチェンジやアップグレードをして、今に至ってますね。シェルは、ヨーロッパの防水透湿素材「イーベント」を使っていて、これはオリジナルに忠実に。中綿は通常プリマロフトなんですけど、コラボだとゴールドシリーズという上級ラインを使ってます。
佐藤 へぇ。ほかにもオリジナルと違うところがあるんですか?
藤井 まずは、シルエットです。細かな違いはちょっと企業秘密ですが(笑)、わかりやすいところで言うと、オリジナルはセットインですが、ラグランスリーブに。そして、裾のカッティングにダーツをとって立体感を出しています。
佐藤 ちょっとモッズコートのような裾の感じになってますね。なるほど。
藤井 あとは肘にもダーツを入れて立体裁断にして動きやすく。裏側にシームテープを貼って防水性も強化しました。
佐藤 結構、変えてるんですね。
藤井 オリジナルの印象はそのままにスタイリッシュに見えるようにしてますね。ディテールも不都合を感じると変更しています。ファーストモデルは、ポケットのジップがメタルだったので重かったのと、寒い場所では冷たいんですよ。セカンドモデルからビスロンに変えてそれを解消しました。あとは細かいところですが、フロントフラップの面ファスナーのオス・メスを反対にしました。
佐藤 なんでですか?
藤井 袖口のアジャストストラップの面ファスナーがオスなので、フロントのメスと噛み合っちゃうんですよ。だから、袖を動かすと面ファスナー同士がくっついちゃう。そこでフロント側をオスとメスを反対にしたんです。ひとまず、着てみてくださいよ。
佐藤 ジップが冷たいのは気になってました。何気にストレスだったかも(笑)。面ファスナーは、気になってませんでしたが……ロゴも少し変えてます?
藤井 よくわかりましたね! 最新のモデルでは、グログランテープに同色のワイルドシングスのロゴ刺繍を入れて、胸にパッチしています。これだけでも通常の織りネームの10倍くらいのコストがかかってる(笑)。着たときの格好良さは、どのアウトドアウェアよりも格好いい自信あり!
佐藤 確かに格好いい。
藤井 あとは日本製という点もこだわり。ワイルドシングスはアメリカのブランドですけどね(笑)。服作りの技術は今、中国やベトナムも相当高くなってきていますが、僕ら日本のブランドがそっちに流れてしまうと産業が残らなくなってしまう。日本製を大事にすることで、これからモノ作りをしたい若い人たちにも、きちんと日本製の価値を知ってもらいたい。海外のブランドと僕らがコラボレーションする意義にもなっています。
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