1年を労う“ハツ”スルおばんざい
ママ まぁまぁ。続いて2品いくわよ。「ニラと干し海老のおひたし〜黒ごま風味〜」と「鶏ハツとレバーの甘辛生姜煮」ね。中医学で“冬の臓器”といわれる「腎」は、老化にも深く関係していて、温めることが肝心。
ニラと海老は、温性の食材のうえに「温陽補腎」の機能を持っていて、身体を温めてパワーをつけるのに打ってつけの存在なのね。これがずばり「腎」に効くってわけ。
男 いかにも温まりそうだわ。あ、2杯目は焼酎お湯割りで。
部下 「腎」イコール、そのまま西洋医学の腎臓という話ではなさそうですね。
ママ カンが鋭いわね。生命の源である「腎精」を蓄えるという、生きる活力そのものを司る臓器。冬に冷えやすい「腎」を養って全身を温めることで、身体そのものを強くするということよ。黒ごまの「滋陰」については学習済みよね。
男 「滋陰」ってのはバリアだったな。風邪からの病み上がりで冷えやすい今の俺にはちょうどいいね。
ママ あら、よく覚えてたわね(笑)。
<今晩の薬膳用語④> 温陽補腎(おんようほじん)=体を温め、「腎」の機能を補う効能。 <今晩の薬膳用語⑤> 腎精(じんせい)=腎が蓄える精。生まれもった「先天の精」と、食で補い生命活動を維持する「後天の精」からなる。これらが万全であることが健康の源。 |
ママ ハツは文字通り、心臓。五臓の「心」に働きかけるの。レバーには「補腎」効果があり、隠れ食材のアサリには精神を安定させる働きがあるのよ。生姜も温性の食材だから、温まるのは言わずもがな。
部下 ここでも1年の労苦を労ってくれてるなんて! “ハツ”スルなおばんざいだなぁ。
5/5