【2句】
AM7時「黒壁のドラマ」を見逃すな
箱根駅伝のスタートは8時。けれども、まずは6時にTwitterを開いて、初心者の方は「#箱根駅伝」と検索してください。すでに箱根駅伝の情報戦は始まっていますから。
この時間、スタート地点の大手町で何が起こっているかというと、選手たちが入ってくるんです。
各区間を走る選手は事前に発表されているのですが、実はこれはダミーだと思ってください。
とくに東洋大学などは、「当日にどういう変更があるか」をファンも楽しみにしているところがあります。
主力選手を往路、復路、どこに配置するかで、その大学の戦略を読み取ることができる。あまり知られていない1年生が入っていたり、今季目立った実績をあげていない選手が入っていたら、
その選手は変更を前提としてエントリーされた選手である可能性が高い。
本当のメンバーがわかるのが、当日の朝7時なんです。
大手町の読売新聞本社前に建つ、箱根駅伝のエントリー変更の模造紙を貼るためだけにあるんじゃないかと思われる、
黒い大理石の壁にそのリストが貼り出されるのです。
けれども、エントリー変更が発表される前から大手町では、1区を走る選手たちがアップを開始しています。ここで走っている選手を見て、本当のエントリーがいち早く判明するのです。
そこから、箱根駅伝ツイッタラーの「俺は見た!」という
選手の目撃情報がTwitter上に溢れかえります。
時間を追って、鶴見中継所では「2区に〇〇選手が入りました!」など、各地から最新情報も上がってきて、
そこで各校の本当の戦略がわかってくるわけです。
このとき、
正月早々、僕は胸が切なくなります。
それは、事前エントリーから外れた選手たちのことを想像してしまうから。彼らは
自分が変更されるとわかっていても、メディアでは箱根出走メンバーだと発表されるわけです。10年ぶりに同級生から連絡が来たり、親戚一同が大盛り上がりをしていても、
決して「自分は走らない」とは言えない。
続々と上がってくる目撃情報を確認しながら、読売新聞や報知新聞を開いて、そこに載っている変えられた選手の顔を覚えておいてください。
もしかしたら彼らは来年度、この経験をバネにして、箱根駅伝を走るかもしれませんから。
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