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「サンロッカーズ渋谷」はチェックしがいのあるチームだ

ところで、サンロッカーズ渋谷とはどんなチームなのか?
選手に作戦を伝える伊佐勉ヘッドコーチ(写真中央)。(C)SUNROCKERS SHIBUYA
伊佐勉ヘッドコーチが掲げる“全員バスケ”は、みんなで走って、みんなで守って、みんなで得点するスタイル。『スラムダンク』で例えるなら、ラン&ガンでインターハイ制覇を目指した豊玉高校のようなものか。初心者でもワクワク楽しめる、実に応援しがいのあるチームである。
攻守ともに優れたベンドラメ礼生(れお)選手。(C)SUNROCKERS SHIBUYA
注目プレイヤーも充実していて、例えばブラジル人の父と日本人の母を持つベンドラメ礼生選手(#9、ポイントガード)は、日本代表「アカツキファイブ」のメンバーとして日本のワールドカップ出場に尽力。サンロッカーズ渋谷ではキャプテンとしてチームを率いている。持ち前の激しいディフェンスは大きな魅力だ。
石井講祐選手は国内屈指のシューターだ。(C)SUNROCKERS SHIBUYA
今シーズンから移籍してきた石井講祐選手(#27、シューティング・ガード)もスゴい。昨シーズンまで名門・千葉ジェッツでプレーし、Bリーグの「スリーポイント王」としてジェッツの準優勝に貢献した。
サンロッカーズ渋谷では、さっそくブザービーター(試合終了の合図と同時の得点)を決めて逆転勝利を演出するなど、日本最高峰のシュート力は健在である。
205cmの長身を活かして戦うセバスチャン・サイズ選手。(C)SUNROCKERS SHIBUYA
今シーズンから加入したスペイン出身のビッグマン、セバスチャン・サイズ選手(#2、パワーフォワード)は、かつてスペイン代表にも選出された世界レベルの実力者。オフェンスでは速さと巧さを見せ、ディフェンスでは相手のカウンターを豪快なブロックで潰すなど、日本人選手にはない躍動感でゲームを盛り上げる。
今シーズンは多くの新加入選手を迎えたこともあり、シーズン序盤では連勝を重ね、その後も強豪相手に力負けせず競い合っている。12月16日時点での成績は15勝6敗で地区3位。レギュラーシーズンは60試合を戦う長丁場なので、今から応援すれば、まだまだ今季の激闘を楽しめるゾ。
サンロッカーズ渋谷のホームコートが渋谷駅から歩ける青山学院大学の体育館(青山学院大学記念館)であることもうれしい。ぜひ生観戦してみよう。
 

ついつい応援したくなる、サンロッカーズこぼれ話

サンロッカーズ渋谷のホームコートは青山学院大学記念館。(C)SUNROCKERS SHIBUYA
さて、サンロッカーズ渋谷はもともと、「日立サンロッカーズ東京」という名前で東京と千葉県柏市の両方に活動拠点を構えていた。チーム名をサンロッカーズ渋谷と改めたのはBリーグ発足後だが、渋谷に根を張るのは簡単ではなかった。
実はいまだに渋谷区に練習場を持てず、今も区外で練習に励んでいる。というのも、渋谷区内のバスケコートはどこも都内屈指の人気スポットで、スケジュールも連日予約でパンパン。プロチームとはいえ、練習時間を融通してもらう余裕などないのが実態だ。
ホームコートの青山学院記念館も、サンロッカーズ渋谷が試合で使えるように、土・日曜日は学生たちが渋谷区内の別の場所で部活動を行っているという事情がある。それでも現在試合ができるようになったのは、地道な話し合いと大学側の協力、歩み寄りがあってこそ。空調の工事やトイレの改装など、さまざまな壁をひとつずつ乗り越えた結果なのだ。
年々盛り上がってゆくBリーグ。一度は生観戦したい。
それでも、渋谷区内の小学校などに対してサンロッカーズカラーのボールを寄付したり、地域の小学生にバスケを教えたりするなど、さまざまな社会貢献を通じて、徐々に渋谷区民の支持を得つつある。苦労は尽きないが、渋谷にバスケ文化が根付くかどうかは、サンロッカーズ渋谷にかかっている、と言っても過言ではない。
新たな文化が根付くのは簡単ではないが、常に流行の先端をいく渋谷だからこそ、バスケカルチャーが息づく可能性もあるはずだ。そうなれば、渋谷の街はますます楽しくなるに違いない。
強豪ひしめくBリーグで優勝するのは簡単ではない。しかし、『スラムダンク』に燃え、渋カジで育った我々だからこそ、バスケットボールストリートで優勝パレードするサンロッカーズ渋谷の勇姿が見られたら、きっと感動もひとしおだと思うのだ。
 
原嶋鉄人=文


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