中敷きの内蔵センサーで普段の歩行を分析し改善点をアドバイス
アローグは、NECが開発した小型の歩行分析センサーを搭載したインソール(中敷き)だ。シューズにアローグを装着することで、履く人の「歩容(歩行の質)」を計測し、専用アプリで分析結果をチェックすることができるようになる。
以前、この連載で紹介したランニングフォームがチェックできるスマートフットウェア「
ORPHE TRACK(オルフェ・トラック)」にも似ているが、アローグの場合はインソールなので、シューズを自由に選べる点が大きな違いといえる。つまり、普段自分が履いているシューズで行っている「いつもの歩き方」を計測することができるわけだ。
アローグで計測できるのは「歩幅」「歩行速度」「(足の)接地角度」「(足の)離地角度」「足上げの高さ」「つま先の向き」、そして歩行の際にどれだけ脚運びがブレているかを示す「外回し距離」の7項目。
これらの計測結果を総合し、NECが開発した独自の「歩容推定モデル」に基づく分析結果を、アプリで教えてくれる。
NECの「歩容推定モデル」が具体的に、どのような基準で分析をしているのかは不明だ。しかし、内股やがに股の傾向を指摘してくれたり、かかとからの接地を推奨していたりするところから推測する限り、骨格のしくみに逆らわないように注意しつつ、インナーマッスルを働かせボディバランスを意識することによって、腰やひざなどに余計な負担をかけないようにする、いわゆる「健康的な」歩き方に近いモデルを「美しい歩行姿勢」としているようだ。
つまり、アローグを使うことで得られる歩行姿勢の「美しさ」とは、単に見た目だけでなく、健康面にも配慮した「美しさ」ということになる。
「美しい歩行姿勢」というと、背筋をピンと伸ばし胸を大きく張った姿勢をイメージする人も多いだろうが、そうした歩行姿勢の見た目は良くても腰や膝への負担が大きいことは、意外と知られていないかもしれない。アローグを使うメリットは、その点でも大いにあるだろう。
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