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正解は小遣い制? お駄賃制?

子供にお金を渡すには、毎月決まった額を渡すお小遣い制度、欲しい物がある時々で(親が承認すれば)お金がもらえる制度、家の手伝いなどの労働の対価としてお駄賃をもらう制度と、大まかにこの3パターンがある。どのパターンにもメリット、デメリットがあるが、中でも特記しておきたいのは手伝いの対価としてお駄賃を渡す時にあたっての注意だ。
「お駄賃をあげるから、○○をやって」とお願いした場合、「お駄賃はいらないからお手伝いもしない」という理屈で返され、言葉に詰まったという例は多い。親としては「屁理屈を言うな!」と声を荒げてしまうところだが、そもそも親のほうから、子供の労働力を金で買うと提案した以上、それは屁理屈でなく子供のほうに理がある話。本来は家族の一員として当然担うべき役割に、報酬を発生させることには慎重さが求められる。さもないと、お手伝いの意義を勘違いする子供になってしまいかねない。
子供にお小遣いを渡す動機やその方法に迷ったときは、もっとシンプルにお金の必要性や使い方を体験させるといった面を重視するほうが健全に思えるのだが、いかがだろうか。

教えたいのは使い方。されど“失敗から学ばせる”べし

金は使えば減るもの。貯めれば大きな買い物ができる。人生の蓄えとして貯金の大切さは教えておくのはもちろん必要である。しかし、子供に小遣いを与えるからには、貯めることはもとより、むしろ使い方についてこそ学ばせるべきである。ただし、手取り足とり教えろということではない。
“失敗は成功の母”、ではないが金の使い方もまた、失敗、後悔を繰り返してなんぼである。1度や2度の失敗体験は、むしろ“儲けもの”だと考え、実際にやらかしてしまうまでを含め、見守ることに徹する器が欲しいところだ。
ただし「友達におごる」などという使い方は、あらかじめ厳禁としておくべきだろう。おごることで人より優位に立ったような感覚を得ることも問題だし、最悪なのは“金づる認定”されていじめの対象になるといった悪いほうに転がることだ。そうなると、本人だけでなく、友人までも“ロクデナシ”に育ててしまう。こういった“絶対にやってはいけないこと”は先に決めておき、それ以上の口出しは避ければ良い。
ビジネス的に言えば、小遣いのルールについては決められた通りにやらせる「ポジティブルール」で運用するのではなく、やってはいけない原則ルールだけを決めてあとは自由にやらせる「ネガティブルール」を適用すべきなのである。


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