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高度な技術力と遊び心から生まれた傑作時計

広田 とにかく品がいいんですよ。そして、真面目に作ってる。
安藤 大人のギミックですよね。エルメスのメンズウォッチって、ポエティックというか、高い技術力をわざと実用以外のところに使っているのが面白い。
広田 ヴァン・クリーフ&アーペルなんかも目指すところは近いけど、エルメスの場合には、やっぱり女性用のベーシックな時計が売れているじゃないですか。確実に売れるベースがあるから、こういう遊びができるんだと思います。
安藤 機械でやってることは、けっこう高度ですよね。

 広田 そう。ムーブメントを作っているのは、機械式ムーブメント会社として知られるヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエですからね。ヴォーシェは、もともと「神の手を持つ男」の異名を持つ時計師、ミシェル・パルミジャーニのブランド「パルミジャーニ・フルリエ」のムーブメント製作部門が独立した会社です。
安藤 そんな実力派がエルメスの遊び心と組み合わさった結果として、「スリム ドゥ エルメス ルゥール・アンパシアント」みたいな時計が生まれた、と。
広田 エルメスの時計は基本的にブティックで販売しているから、エルメス好きが買うというのも大きい。遊び心を前面に押し出しても買ってもらえるんですよ。
安藤 確かに、カバンや靴、洋服なんかと世界観が一致してますよね。エルメスでいろいろ揃えたくなる気持ちもわかります。レザーバンドなんか、まんまエルメスの世界観ですから。腕に着けていて気持ちが良い。


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