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子供ファーストでない店に「食育」のチャンス


子供ファーストな店の代表格といえば“回る寿司屋”だが、そこをあえて“回らない寿司屋”のカウンターへ連れて行く。そうすると、回る方とはひと味違った味はもちろんのこと、例えばネタの旬の時期や産地ごとの違い、美味しい魚の見分け方などなど、食材についての情報を、それこそ打てば響くといった具合に、板前さんが返してくれるはず。
店の雰囲気やそこで働く人たちから、子供が知りたい食についての情報を直接得られるかどうか。そこからさらに興味を広げられるかどうか。ココが大事である。
単に空腹を満たす以外のこうした付加価値は、「ファミリー向け」や「お手軽」をウリにした店ではきっと“味わえない”だろう。やはり子供ファーストではない、子供にはちょっと敷居の高いぐらいのちゃんとした店でこそ体験できるものである。
そうした店での子供は、ある意味では招かざる客であり、緊張感を強いられる場合もあるだろう。しかし、だからこそ満腹感だけでなく、本物の味を体験した舌を通して、大人の仲間入りをしたかのような誇らしさが得られるというものだ。
当たり前だが、何も高い店ばかりを推奨しているわけではない。何より普段の食卓でこそ、食育は行われるべきではあろう。そこは結局、親の心がけ次第なのだ。視点を変えれば、ちょっとした高級店に連れていきながら、値段が高いことだけしか興味を持たせられないオトーチャンズなら、それは問題アリと言えよう。
 

オトーチャンズの得意技「無駄遣い」を発動させる

さて、“ちゃんとした店”となると、やはりお値段もそれなり。「この店1回でファミレス、回転寿司に何回行けるか……」といったセコい計算もやりがちである。「そこに子供を連れて行くなんて、やはり贅沢がすぎる……」、なんておよび腰になるオトーチャンズも少なくないだろう。
そこで思い出してほしいのが、家族の相談も無しにいらんものを買ってきて、あとで怒られるというオトーチャンズの習い性。無駄遣いと言われようと、いつもの独善性を発揮してさっさと子供を連れて行ってしまってもいいのではないか。ママがひとりでお出掛けする日なんか、絶好のチャンスだろう。
仮に子供から「あんまり美味しくなかった」と言われても、そこはいつものムダ遣いと割り切ればよい。無論、子供には「高い金払っているんだから」的な過度なプレッシャーはくれぐれも禁物である。


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