「居酒屋のオヤジの飲み物」というイメージをぶっ壊す!
──最近というのはどのくらいの時期からですか?ここ3、4年ですね。最近は、IWCという国際的な酒コンペティションでも賞を取れるようになりました。今年は、IWCのなかで最も高品質なお酒を造る酒蔵として「サケブルワリー・オブ・ザ・イヤー」という称号もいただきました。
──何か劇的な改革をしたんですか?造りに関しては、ほぼ全部変わっています。138kmが142kmになり、147kmになり、ある程度になってくるとバッターを打ち取れるようになってくる。つまり、お客さんに「美味しい!」とか、「最近、紀土変わったよね」って言ってもらえるようになるんですね。
対外的な評価が上がるにつれて、中田英寿さんや堀江貴文さん、テクノアーティストのリッチー・ホウティンさんなどとコラボしたり、海外にも17カ国に輸出するようになりました。
──ガンガン突き進んでいますね。従来の日本酒業界への反発が原動力になっていたりも?これまでの日本酒業界と同じことをしていちゃダメだという意識はありますね。ラベルも、白いテーブルクロスのお店で、隣の席がワインを飲んでいるなかで紀土のボトルを出されても恥ずかしくない、むしろ「俺たちは日本酒を飲んでるんだぜ」とドヤ顔になれるようなデザインにしたいと思って造っています。
ニューヨークとかだと、お洒落なシチュエーションで日本酒を飲むんですよ。日本酒は、知的で美味しくて、ちょっと高いけど良いお酒、という認識がニューヨーカーにはある。でも日本だと居酒屋のオヤジの飲み物。そこのギャップがすごいので、それはぶっ壊したいですね(笑)。
平和酒造株式会社●1928年創業。酒蔵名は「平和な時代に酒造りができる喜び」という意味が込められている。日本酒「紀土」、梅酒「鶴梅」に続き、ビールの「平和クラフト」シリーズも立ち上げ、こちらもインターナショナル・ビアカップで金賞を受賞するなど、その快進撃はとどまるところを知らない。
www.heiwashuzou.co.jp横尾有紀=取材・文