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2019.11.24

空飛ぶ車についてくるベビーカー。カーテクが作る新しい未来

探せ! 未来のマイカー候補@東京モーターショー
先日、東京・台場で開催された東京モーターショー2019。「あれは車業界の人が見るものでしょ?」と思っていたら大間違い。次のマイカー選びの羅針盤としても有効である。近い将来の車トレンドと注目車を、現場でキャッチした。
自動運転や電気自動車など、ここ数年で飛躍的に進歩している車の技術。日進月歩する車がさらに進むと、どんな未来が待っているのか?
今回の東京モーターショーでも、そんなカーテクが作る新しい未来を垣間見ることができた。

「泣く子も黙る親追尾型ベビーカー」
エールべべ フラコットコンセプト


泣くのが仕事の赤ちゃんをなだめるときには、ベビーカーから抱き上げることが多いけれど、その際には両手が塞がってベビーカーを動かすことができない。ところがこのベビーカーはカメラとモーターを備え、赤ちゃんを抱いたパパ・ママを自動追尾してくれる。これなら公園やショッピングセンターなど赤ちゃんと一緒にお出かけがグッとしやすくなりそう。
 

「ついに、パンク・イズ・デッド!」
ブリヂストン エアフリーコンセプト


どこへでも安心して出かけられる「パンクしないタイヤ」をタイヤメーカー各社が開発中。ブリヂストンは既に2011年に「エアフリーコンセプト」を発表。その後ひとり乗りの小型モデビリティ用を、そして今回は自転車用と着実に進化し続けている。自動車でも「パンク」が死語になるのも、もうすぐか!?
 

「スーパーカーも木の時代」
環境省 ナノセルロースヴィークル


ドアを跳ね上げたこのスーパーカーのボディ、実は木製だ。これは「セルロースナノファイバー」という、植物の主成分であるセルロースから作られた繊維状の材料。鉄の1/5ほどの軽さだが強度は約5倍という。廃棄する際は燃やして燃料にもできると、木の多い日本にとって資源問題と環境問題を同時に解決する夢の素材なのだ。
 

「仕事の合間も楽しく過ごせる」
トヨタ 超小型ECビジネス向けコンセプトモデル


顧客のところへ毎日循環するような近距離移動を想定した、2人乗りの小型電気自動車。そのインテリアは、ボタンひとつでシート脇からノート型パソコンが出てきたり、リラックス(サボり?)モードを選べば、シートがリクライニングしてサイドウインドウがスモークになり、フロントウインドウにスクリーンが降りてきて、大画面でネット動画も見られる。
 

「より軽く、より強靱な新素材」
東レ・カーボンマジック I toP(アイトップ)


車は軽ければ軽いほど速く走れるし、使うエネルギーも少なくて済む一方、そうした軽い素材は一般的に強度が足りず、事故時の安全面などに課題がある。軽くて頑丈。そんな夢のような素材「しなやかタフポリマー」が産学連携で開発された。3人乗りのこの電気自動車はわずか850kg。これが商用化されれば、ガソリン車の燃費も電気自動車の航続距離も、一気に躍進?
 

「あと10年で、空も飛べるはず」
A.L.I Air-Mobility “XTURISMO™” LIMITED EDITION


渋滞による経済損失を憂う某国が、「空飛ぶ車」の開発を進めている。SF映画の話かと思ったら、日本でも2018年には経済産業省と国土交通省により実現に向けたロードマップが取りまとめられ、2030年代の実用化を目指しているという。写真はひとり乗りの“エアバイク”。これに乗って飛ぶ日は、もう10年後!?
 
ベビーカーも自転車も空飛ぶ車も、車の技術進歩から派生した新たなテクノロジーは、さまざまな形で我々の未来の暮らしをワクワクさせてくれそうだ。あと10年もすればこんな世界が来るかもしれないなんて、20年後や30年後には一体……。まだまだ長生きしないといけませんな!
 
籠島康弘=文


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