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徹頭徹尾、モータースポーツ生まれのデザイン

けれどもR.S. トロフィーは、そんな世界最速のための技術がギュッと詰まっているとはおくびにも出さないルックスをしている。ド派手なエアロパーツは皆無で、体脂肪率を5%以下までそぎ落としたアスリートのように、スタイリッシュ、でも頼りがいのある力強さを感じさせてくれるデザインだ。

しかし目を凝らせば、やはり世界最速とはこうした細部の積み重ねが欠かせないというべきか、モータースポーツ由来のさまざまなパーツが組み込まれていることに気づくはず。

例えばフロントグリルの下に伸びるエアインテークブレードや、リアディフューザーは空気抵抗に世界一うるさいF1マシン由来のデザインだ。また300ps/420N・mのパワーを余すことなく路面に伝える幅広のタイヤ(前後とも245/35R19)を収めるため、フェンダーのフロントは60mm、リアは45mm拡張されている。

19インチホイールのデザインはルノーのスポーツブランドの頂点を示すコンセプトカー「ルノー・スポール R.S. 01」からインスパイアされている。そこから覗く赤いブレーキキャリパーは車のパワーを受け止めるためのブレンボ社製。特に荷重のかかるフロントは、軽量で冷却性能も高いスリット入りの専用品が備わる。

ドアを開ければ、軽量かつドライバーの姿勢をしっかりと保持するレカロ社製フロントバケットシートがまず目に入る。
ステアリングホイールは、握る部分に手が吸い付くようなグリップ感のナパレザーが使用され、センターにレッドラインが入っているのでどれだけステアリングを回したかが瞬時にわかる。

けれど、すべてが過剰ではない。本当に優れた機能とは、デザインも美しいのだ。だから見た目はエレガントで、同乗するパートナーからは「オシャレなフランス製ハッチバック」にしか見えないだろう。
メガーヌ R.S. トロフィーの詳細はこちら
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