総削り出しのアルミキャビネットなど音質へのこだわりも最先端
今どき「音楽を持ち歩く」ツールといえばスマートフォンが一般的になっている一方、音質や操作性の良さを求めて、ポータブル音楽プレイヤーを選ぶ人も少なくない。その点でも「NW-A100TPS」は、値段以上の価値を提供してくれる。
総削り出しのアルミキャビネットに象徴されるように、本体素材や設計から音質にこだわっているほか、ソニーのフルデジタルアンプ技術「S-Master HX」や5基の高分子コンデンサー搭載など、当然ながらスマートフォンとは一線を画す、高音質を追求した特徴を備えている。
本体のボタンで音楽回りの基本操作が完結しているのも、スマートフォンにはないメリットだ。
ハイレゾ対応の高級ヘッドホンやイヤホンのなかには、音楽コントロール機能を備えていない製品もあるため、本体の操作ボタンが使いやすく工夫されているのは、うれしい配慮といえるだろう。
遂にAmazon MusicやSpotifyなどストリーミングサービス対応
またしてもスマートフォンとの比較になってしまうが、実は「NW-A100TPS」(NW-A100シリーズ)はOSにAndroidを採用している(OSのバージョンは9)。3.6型(1280×720ドット)のタッチパネルでの操作は、まさにスマートフォンそのものだ。
アプリストア「Googleプレイ」にも対応しているので、ゲームを含めほとんどのアプリがインストール可能。そこで、もっとも注目すべきなのは、ハイレゾ音源の提供を開始したAmazon MusicやSpotifyといったストリーミングサービスを、スマートフォンと同様に利用できる点だろう。
ウォークマン40年の歴史のなかでも、これは特筆すべき進化といえる。ネット接続が前提になるとはいえ、あらかじめカセットテープを用意したり、本体のメモリにダウンロードしたりすることなく、思いついたその場所で、聴きたい曲を聴くことができるのだから。
しかも非ハイレゾ対応のストリーミング音源でも、独自技術の「DSEE HX」により、ハイレゾ級の音質にアップスケーリングしてくれるというから驚き。これぞ、専用機ならではのメリットだ。
その昔、初めてウォークマンを持って街に出かけたとき、目に映る光景のすべてが「BGMつき」になる体験に衝撃を受けたという人って、筆者のほかにも結構多いはず。それがストリーミングサービスを使えば“BGM”の選択肢は、ほぼ無限大となる。たとえばあの日、放課後の校庭で見たような夕焼けに偶然遭遇した感動を、当時よく聴いたヒット曲を検索して再生すれば、さらに盛り上げることだって簡単にできてしまうのだ。
もちろん、ストリーミングサービスの利用は他モデルでも可能だが、レトロなカバーを身にまとうことができる40周年記念モデルなら、音楽が持つ一種の「タイムマシン」的効果を一層高めてくれるに違いない。
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