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PEUGEOT 508 SW プジョー 508 ステーションワゴン

PEUGEOT 508 SW プジョー 508 ステーションワゴン
ボディサイズ:全長4790×全幅1860×全高1420mm
燃費:14.7〜18.3km/L
総排気量:1598〜1997cc 乗車定員:5名
価格:450万2000円〜
セダン(508)から遅れること3カ月、6月に日本上陸を果たした508 SW。こちらもモデルバリエーションはセダン同様の3車種の展開。今回試乗したAllure以外の2型には電動テールゲートを装備する。標準となるストップ&ゴー機能を備えたアクティブクルーズコントロール、プジョー初搭載のレーンポジショニングアシスト、レーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニターシステムなど先進運転支援機能も充実。
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エンジン・スタート/ストップボタンの横にあるのが、ドライビングモードの選択スイッチ。スポーツ、コンフォート、エコ、ノーマルの4つのモードを備える。このモード切り替えによりサスペンション、ステアリングフィール、アクセルレスポンス、シフトアップのタイミングが自動で切り替わる。プジョー508 SWだと、コンフォートモードこそがスペシャル。その乗り心地の良さにわざわざデコボコ道を走らせたくなるほど。ソフトにして芯がある。相撲のいなしのような、振動を逃がすのが巧みで、サスペンションはもちろん、新プラットフォームEMP2の秀逸さをここに見た。
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シートはAllureの場合、ファブリックが標準。位置調整は手動となる。
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センターコンソール奥には非接触充電機能が配置。エアコンやナビ、音楽プレイヤーなどは8インチサイズの液晶パネルに直接触れてコントロールできるほか、その手前に並べられたスイッチでも操作が可能となる。
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十分な容量を確保する荷室は、通常で530L、後席を倒せば最大で1780Lとなる。
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ワゴンじゃなくてシューティングブレーク。まるでスポーツカーのような佇まいに、惚れた!
SWことステーションワゴンも、セダンと同様に美しい。迫力あるフロントフェイスから流れるようにリアのハッチへ到達するアプローチは、かつてのジャガー XJSやアストンマーティン ラゴンダ、現代ではフェラーリ GTC4ルッソやメルセデス・ベンツ CLSと同類の、つまりシューティングブレークのような佇まい。
ちなみにシューティングブレークとはかつての英国貴族や紳士が狩猟に行くのに造ったスポーツカーの後部のみをワゴンに換装した車のデザインだと定義される。荷物はもちろんたくさん積めるけれど、決して実用オンリーではない、スポーツカーのような色気も同時に漂わせるデザインなのだ。
SUVは便利だけど、駐車場に高さ制限があって……といったサイズ感に心配がある方に、ぜひ508 SWを試してもらいたい。荷室容量は530L(後席を倒せば最大で1780L)。ちなみにポルシェの小型SUVのマカンは550L(1710L)と大差ない。全長は10cmほど508 SWが長く、全幅は6㎝、全高は20cmマカンが大きい。
SWことステーションワゴンも、セダンと同様に美しい。
で、このファストバックとシューティングブレークの508、それぞれいくらだと思いますか? 筆者はともに600万円、そこに豪華装備のオプションを加えて750万円くらいかなと想定していた。しかし、今回試乗したセダンの508 GT BlueHDi(ディーゼルエンジン)は車両本体492万円に、オプションのフルパッケージ(ナッパレザーシート、ナイトビジョン、フルパークアシスト、360度ビジョン、パノラミックサンルーフ)の65万円を加えた557万円。ステーションワゴンはGTライン(ガソリンエンジン)でオプションなしの484万円。
アクティブクルーズコントロールやレーンポジショニングアシストといった先進運転支援機能は全車標準装備だし。乗り心地は最高だし。そう乗り心地といえばフランス車の命。508はプジョー初となる電子制御式アクティブサスペンションを採用している。つい、スポーツモードに入れてカッ飛びたくなるのが車好きだが、508に関してはコンフォートモードで、そのしなやかな乗り心地を味わいたくなる。こんな車、ほかにはない。
ライバルはメルセデスならCクラス、BMWなら3シリーズなどだが、横に並んでもその美しさにエヘンとなるクラスレス感がある。ひと目惚れして手に入れたとしても決して後悔しないだろう。
 
内田祐介=写真 荻山 尚=編集・文


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