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2019.11.19

ライフ

ラグビー解説者・大西将太朗の「憧れの背中を追い続けた」人生の光と影

>連載「37.5歳の人生スナップ」を読む
今年のラグビーW杯の盛り上がりはめざましいものがあった。今さら説明も不要だろうが、強豪アイルランドとスコットランドを下し、全勝で決勝トーナメント進出を決めた日本代表チームの躍進に日本中が湧いた。
元ラグビー日本代表で、今はラグビー解説者として活躍するかたわら、立命大学のバックスコーチも務めている大西将太郎さん(40歳)も、いまだその興奮がさめやらぬひとりだ。日本に突如巻き起こったラグビー旋風について熱を帯びた声で語ってくれた。
大西将太郎
「ぼくの現役時代、ここまで多くの人がラグビーに熱狂してくれるなんてとても考えられなかった。だって今回の南アフリカ戦でのパブリックビューイングなんて、会場に入りきらないぐらい人が溢れていたんですよ。僕は解説者としてお邪魔したんですが、目の前の光景に自然と涙が溢れましたね」。
最初はラグビーのルールすらよく知らない人がほとんどだった。それがいつしか、選手たちが激しいぶつかり合いの末に勝利を目指す姿に、多くの人が熱狂し、目が離せなくなっていた。そして、それは大西さんが10年以上前からずっと夢見ていた光景だった。
今から18年前、22歳で日本代表に選出された大西さん。その頃の日本ラグビーの国際試合における成績は決して胸を張れるものとは言い難かった。
「2007年大会で、W杯の連敗記録を止めたとき、帰国後の空港で僕を出迎えてくれたのは、2人の記者だけでしたからね(笑)。そういう意味でも、本当に今の盛り上がりがうれしいんですよ」。
37歳で現役を引退し、現在はラグビーの魅力を伝える解説者として活躍している大西さん。ラグビーへの情熱を絶やさない、その人生に迫った。


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