昔の感覚で、ペットに向き合うことなかれ
スペック以外にも押さえておいてほしいことがある。
現在の動物保護法には、動物の所有者は、動物がその命を終えるまで適切に飼養すること、すなわち「終生飼養」が責務であることが明記されているほか、愛護動物の虐待・遺棄については「罰金100万円」であったものが「懲役1年または100万円の罰金」に変更されるなど、罰則が引き上げられている(施行自体はまだ予定段階)のだ。
死ぬまで責任を持って面倒を見る。これは、法律以前の問題ではあるが、我々の子供時代には往々にして見受けられた雑な飼い方はもう「ナシ」であるのが共通認識であり、社会全体がこうした流れに進んでいることは気に留めておくべきだろう。わざわざ飼い始めたペットをちゃんと飼うことができてない家庭は、そうした目で見られるということだ。
なんだか冒頭にあげた結論とは裏腹に、まるでペットを飼うことを抑制するようなことばかり述べてきた。しかし、これもひとえに子供とペットの関係を悲しい結末にしないためのやむを得ない苦言である。
もしも、お母ちゃんが子供のペット飼育に対して抑制派、ブレーキ係であったなら、そこは上記を踏まえつつも役割を入れ替えて欲しいところ。いずれ自分を犠牲にしなくてはならない面があっても、その役を買って出るのがオトーチャンズの務めである。
宇都宮大洋=文 asacom.=イラスト