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最終ラインで
クレバーさが光る冨安健洋

一方、守備を形成する最終ラインには、同じくA代表でレギュラー格の存在感を示している冨安健洋がいる。
若い五輪代表世代とは思えないクレバーさが光る。 写真:森田直樹/アフロスポーツ
アビスパ福岡でのJリーグデビューは堂安と同じ高校2年時。翌年にトップチームに昇格すると「福岡にすごいヤツがいる」とすぐに噂になり、そこからは2018年1月のベルギー・シントトロイデンへの移籍、同10月の日本代表デビュー、そして今年夏のイタリア・ボローニャ移籍とトントン拍子でスターダムを駆け上がりつつある。
188cmの長身を生かした空中戦の強さ、それでいて小回りが利く機動力とトップスピードの速さは大きな武器だが、なにより富安はクレバーさが際立つ。ボローニャでは右サイドバックにコンバートされながらも抜群の攻撃センスを発揮して2カ月連続でチームの月間MVPに輝くなど、注目度は海の向こうでも急上昇。まだ20歳だが、近い将来に間違いなく日本サッカー界を引っ張る存在となりそうだ。
 

エース候補が何人も!? 来年の日本代表は期待が特大

存在感ではA代表に定着している彼ら2人が抜けているが、この世代では屈指の技巧派アタッカーで、今年夏からベルギー・アントワープでプレーしている三好康児にも注目したい。167cmと小柄ながらスピードとテクニックを掛け合わせたドリブル突破力は圧巻。今年6月の南米選手権「コパ・アメリカ」で日本代表デビューを果たすと、ウルグアイ戦では2得点を奪って勝利に導いた。
日本代表の2列目は中島翔哉、堂安 律、南野拓実、久保建英、伊東純也と多士済々だが、ポジション争いに割って入るだけの力は間違いなくある。
ほかにも、先日のブラジル遠征でU-22ブラジル代表から2得点を奪った川崎フロンターレのボランチ・田中碧、無尽蔵のスタミナで攻守に貢献する湘南ベルマーレのサイドプレーヤー・杉岡大暉、バルセロナのBチームでプレーするアタッカーの安部裕葵、リーダーのひとりとしてこの世代を引っ張ってきたオランダ・ズウォレのMF中山雄太、さらに「ハンパない」でおなじみの大迫勇也の後継者的存在と見られているストライカーの小川航基など、この世代には、これからの日本サッカーの成長のために“急成長”してほしいタレントが数多くいる。
 
そんな‟勝手に監督気分”で日本を代表を見るとますます、1年後に迫った地元開催の東京オリンピックが楽しみだ。
とりあえず11月14日(木)にはW杯のアジア2次予選のキルギス戦が行われる。W杯ラグビー日本代表のように、世界の大舞台で格上の相手を“ボコる”サッカー日本代表を見てほしい。
 
細江克弥=文 田澤健一郎=編集


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