“変わりゆく渋谷”を肴に、JAZZと酒
昨年9月に、一般的なホテルのバーからジャズの生演奏が楽しめるバーへとリニューアルしたのが、「セルリアンタワー東急ホテル」の40階にある「ベロビスト」だ。
100年に一度の再開発によって“変わりゆく渋谷”を眼下に眺めながら、カウンターで一人グラスを傾けるもよし、ホテルならではのラグジュアリーなテーブル席で妻とデートするもよし。繭のように囲われたソファシートはビジネスにも使える。気分やシーンに応じて、さまざまな使い方ができるのが魅力だろう。
ラグビーW杯期間中は、なんとカウンターにプロジェクターを設置。スポーツバーのようでありながらも、大人も満足できる上質な空間を作り上げた。東京五輪でも同様のイベントが行われるかは未定だが、チェックする価値はあるだろう。
ライブは毎日4回、ジャズナンバーがピアノで演奏されるほか、「Sweet Thursday」と題し、毎月1度、木曜日にゲストアーティストを招いてライブを開催(予約制)。あくまでもゆったりと音楽を楽しめるようなナンバーが主軸になっている。
アルコールは、世界大会で活躍するチーフバーテンダーでシニアソムリエの吉田茂樹が作るカクテルのほか、ノンアルコールカクテルも充実。また、東京オリンピックに向けて、日本の良いものを発信していきたいというホテルの思いから、今では希少なジャパニーズウイスキーも豊富に揃え、江戸切子のグラスで提供される。そんなきめ細やかな気遣いも、ホテルならではのおもてなしだろう。パスタやステーキサンドなどフードメニューも充実しているので、ここでディナーを楽しむというのも手だ。
ジャズと聞くとハードルが高く感じられるかもしれないが、そんなことを言わずに気楽に覗いてみて欲しい。最高の音楽と夜景に、ウマい食事と酒。そして外国にいるような心地よい喧騒にハマること間違いなしだから。
林田順子=文