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今年6月、福永さんはセブンサミットすべての登頂を終えた。いまはセブンサミットに北極と南極を加えた「冒険家グランドスラム」の達成を目指しているという。福永さんの現在の『テーマ設定』は何なのだろう。
「ここ数年は自宅にほとんどいなかったので、しばらく東京でできることをやろうと思っています。オンラインサロンを積極的に開催しているのもそのひとつですね」。
SNSを軸に、さまざまな人との交流を広げ、新たなビジネスの可能性を模索しているという福永さん。書籍を出版したのもその活動の一環だ。野球、法律、冒険……、テーマ設定の振り幅は大きいが、福永さんのなかでは絶対にぶれないひとつのテーマがある。
「40歳前後になると失うことへの恐怖心を感じる人が多いと思います。けれど、人生をRPGに置き換えて考えたときに、楽しみの総量が多いほうが勝ちだと僕は思うんです。そもそも就職することだって、人生の楽しむためにするものだったわけでしょ? 出世することや年収を増やすことが、本来のゴールではないはずなんです。だから会社でのポジションや給料にとらわれるのではなく、そのときそのときの価値観にあった毎日を楽しんで過ごすことが、功を成す、ならぬ、“幸を成す”ための手段だと思うんですよ」。
野球部に捧げた高校時代も、草野球を自由に楽しんだフリーター時代も、勉強の楽しさを知ったロースクール時代も、そして弁護士になってからも、福永さんは常に「今」を見つめ、「幸」を積み重ね続けている。
 
藤野ゆり=取材・文 小島マサヒロ=写真


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