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やっぱりオールブラックスってすごいの?

倒されては起き上がり、また次のプレーへ。ラグビーというスポーツは、規律を重んじ、愚直なまでにそれ遂行していく。
7割5分を超える勝率を誇る常勝軍団オールブラックスとて、ことイングランド戦においては、その規律と自信が打ち砕かれて敗れ去ったように見受けた。
規律を遵守し遂行することは、たやすくないはず。オールブラックスの強さを肌身で知る男が、その強さの源泉を教えてくれた。

「勝利という同じ目的をもって戦うチームスポーツ。ラグビーに限らずですが、規律を乱せば目的は達成できませんよね。ビジネスでも同じではないですか? 一人で戦うのではないですから。
そのためにも、まず自分自身が規律を守り、常に100%の自分をオーガナイズして他者を助ける。これができれば、フィールドを離れたオフタイムでも規律を守れるでしょうし、自分を成長させられるのです」。
誰しもができるわけではないことを、さらりと言ってのけてしまうさすがの凄み。
「オールブラックスには、他者をしっかりと評価して意見を言える環境が整っています。後輩に対してだけでなく、キャプテンに対しても。同じ目標に向かう仲間だからこそ、相手を傷つけるためでも、責めるためでもなく、チームの利益のために意見するのです」。
同じ目的を持つ仲間だからこそ、規律を重んじて、忌憚なく意見を交わす。常勝を続ける秘訣のひとつといえそうだ。

「これって、ものすごいプレッシャーなんですよ(笑)。想像を絶します。特にニュージーランドでラグビーは国を挙げての人気スポーツ。国民全員の期待を一身に背負いますから。自国の誇りと歴史に敬意を払う。オールブラックスのメンバーはそのジャージーを脱ぐときに、そのジャージーを以前よりもより良い場所に置いてくる。そういう精神で戦っているのです」。
ダン・カーターにとってチームとは何だろう。
「僕にとってはチームがすべて。チームの良さがいちばん感じられる瞬間があります。試合直後のロッカールームで、チームメートと顔を見合わせたときのあの何とも言えない感覚。チームスポーツ独特の一体感もあります。たった一人ではなく、チーム一丸となれば立ち向かっていける、そういう強さが得られるのがラグビーの素晴らしさで、好きなところです」。


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