ダン・カーター流、プレッシャーとの向き合い方
プレッシャーとの戦い。これは、オールブラックスほどのものでなくとも、誰しもがどこかで何かに感じているものだ。彼流のプレッシャー対処法を聞いてみた。
「向き合い方は2つしかありません。それを避けて通る人生か、それを受け入れてチャレンジする人生か。私は常に後者を選択しているだけです。
失敗を恐れたり、失敗の経験を引きずったりしていては、絶対にいい結果は得られません。そのためには、“今、目の前”にあることにいかに集中できるか。僕はキッカーなので、プレースキックを蹴るときも、過去の失敗や不安を取り除き、今できることに最大限集中します。
このプレッシャーに打ち勝って得られたことが、次のプレッシャーに立ち向かうためのモチベーションになるんです」。
なるほど、プレッシャーに打ち勝つ成功のサイクルを見出しているのだ。在籍し続けることさえ難しいオールブラックスにおいて、彼は、2003年から2015年までの12年間も中心選手であり続けられたのも頷ける。そのために努力してきたことがあるという。
「昨日より今日が良くなるように、プロになってからずっとノートをつけています。目標を明確にして、トレーニングを積む。たとえ道から外れても戻ることができる道しるべになりますね。
どの分野でも成功者というのは、常にプレッシャーに向き合い、それに打ち勝っている人。僕は、自分の人生において、これほどのプレッシャーが与えられていることに感謝し、光栄に思っています」。
まるで完璧な人間に見えるダン・カーターだが、失敗することはないのだろうか。
「いっぱいありますよ(笑)。とあるパーティに招待されて出席したときに、妻とフォトセッションに登壇したんです。翌日、それを報じた写真を見て愕然。“なんてこった!”って。歯にコリアンダーが挟まってたんです(涙)。ネットで探し出さないでくださいね(笑)。
フランス大会の準決勝では、キッキングティー(プレースキックでボールを乗せる台)をホテルの部屋に忘れてしまったことも。キッカーは自分用にカスタマイズをするほど大事なものなのに! ああ、僕の人生で恥ずかしい二大エピソードを話してしまった(笑)」。
みなさん、歯にコリアンダーの挟まった彼の写真は検索しないでくださいね。
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