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Q01.チェーンステッチが生まれた理由は?

答え【C】生産ロスを減らすため

糸が折り重なっているビジュアルから、どうしても強固な縫製のように見えるチェーンステッチ。ただ実際は……。
小林 チェーンステッチは、ワークウェアであったデニムの個性のひとつ。そのためか、みなさんチェーンステッチは強度を高める縫い方と思いがち。しかし、強いようで実は弱いんです。見掛け倒しなんですね(笑)。
これは、あたかも縫っているように見えますが、実は編んでいる。だから、ほつれると一気に解けてしまうんです。
ただ、チェーンステッチを採用したのにもやはり理由がある。昔の本縫いミシンは、筒に巻かれた上糸をミシン本体の上に、ボビンというパーツに巻かれた下糸をミシンの補助テーブルの下にそれぞれセットします。そうすると、縫う際に補助テーブルや生地がブラインドになって下糸が目視できないのです。
そうなると、下糸がなくなっても気づかずに縫ってしまう可能性が出てきてしまう。それって、製造する立場からすると最悪なんですよ。アメリカ人はそのロスが許せなかったんでしょうね。そこで採用されたのが環縫いミシン。これだと、ミシン本体の上部に上糸と並べて下糸をセットして縫うことができるので、残量が一目瞭然。チェーンステッチにすることで、デニムのロスをなくすことができたんですね。


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