Q02.トップボタン裏の糸の始末、三角と四角のものがあるのはなぜ?
答え【B】生産効率を追求した結果
小林 環縫いミシンは、上糸と下糸の分量を確認しながら縫える反面、解けるのを防ぐ返し縫いができないんです。とはいえ、いちいちまた縫い直すのも面倒なので、ウエストの上を縫うシングルステッチをそのまま下側へ縫っていくことで、チェーンステッチの“ほつれ留め”をしているんですね。
さらに、斜め上に返しながらチェーンステッチがほどけるのをダブルでフォローしつつ、ボタンを打つ場所も指定しているんです。だから“三角”。アメリカ人は本当に合理的。無駄な動きをせず、最大の効果を上げるにはどうしたらいいかを考えていますよね。
四角タイプは、よく見ると腰帯と本体を縫い合わせている上下の糸が両方ともチェーンステッチですよね。この方法は別名“帯付ラッパ”とも呼ばれ、生産効率の向上にひと役買っている。
その後、上と下で同時にチェーンステッチが縫える機械を編み出しました。上下がチェーンステッチなので、そのままだと解けてきますよね。だから、それを回避するために“四角”が生まれたんです。
4/4