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Q02.トップボタン裏の糸の始末、三角と四角のものがあるのはなぜ?

答え【B】生産効率を追求した結果

左は60年代の“501XX”で後期の一本。右は90年から98年頃まで作られていた、アメリカ企画による“501XX”の復刻。トップボタン部分をペロッとめくると表れるステッチ。左が三角タイプ、右が四角タイプ。
小林 環縫いミシンは、上糸と下糸の分量を確認しながら縫える反面、解けるのを防ぐ返し縫いができないんです。とはいえ、いちいちまた縫い直すのも面倒なので、ウエストの上を縫うシングルステッチをそのまま下側へ縫っていくことで、チェーンステッチの“ほつれ留め”をしているんですね。
リベットへ向かい斜めに入れた縫製。一見何の意味もなさないように見えるこの工程にも目からウロコの理由があった!
さらに、斜め上に返しながらチェーンステッチがほどけるのをダブルでフォローしつつ、ボタンを打つ場所も指定しているんです。だから“三角”。アメリカ人は本当に合理的。無駄な動きをせず、最大の効果を上げるにはどうしたらいいかを考えていますよね。

四角タイプは、よく見ると腰帯と本体を縫い合わせている上下の糸が両方ともチェーンステッチですよね。この方法は別名“帯付ラッパ”とも呼ばれ、生産効率の向上にひと役買っている。
その後、上と下で同時にチェーンステッチが縫える機械を編み出しました。上下がチェーンステッチなので、そのままだと解けてきますよね。だから、それを回避するために“四角”が生まれたんです。


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